「2005年の国内ストレージASP(Application Service Provider)の売り上げは前年比42.0%増で,今後も利用は拡大する見込み」――。IT専門調査会社IDC Japan(本社東京)は,国内のストレージユーティリティサービス市場の調査結果を発表した。同社は,ストレージへの接続形態によってサービスを分類して売り上げを集計している。今回の調査では,インターネット経由でのデータ共有を目的とした「ストレージASP」が,新規契約の大幅な増加と従来顧客の利用拡大を受けて,前年度比42.0%と大きな伸びを示した。一方,データセンターでホスティングされたサーバーに向けた「データセンター内接続」は,4.4%の成長に留まった。
IDC Japanは,ストレージASPの売り上げが増えた理由として,セキュリティ機能の向上を挙げる。例えば,ユーザーIDのアクセス記録を保存できるサービスが増えた。こうした機能向上で,データを社外に預けることに対する企業の懸念を払拭できたとする。
2004年に成長の踊り場を経験したストレージASPの成長率は,2005年より再び上昇している。高成長を示した2003年は新規参入業者によるサービス提供が多かったのに対し,2005年はサービス歴3年以上のプロバイダーのサービスが業績を伸ばした。情報セキュリティや事業継続性の強化を目的とした利用により,今後も市場は継続的に拡大すると同社では予測する。