ロームは,2006年度中間期(2006年4月~9月)の業績を発表した(PDF形式の発表資料)。売上高は前年同期比6.3%増の2052億4900万円,営業利益は同17.2%増の402億9200万円だった。4つの事業部門全てで,4~7%程度の増収を達成した。
同社の売り上げ比率で44%を占める集積回路部門は,6.3%の増収となった。ゲーム機向けのEEPROMやシステム電源LSI,デジタル・カメラなど向けレンズ制御ドライバLSIなどが売り上げを伸ばした。第3世代(3G)サービス対応の携帯電話機向けでは,各種LSIの採用が進んだが,一時的な生産調整の影響を受けた。TFT液晶パネル向けのドライバLSIは,売り上げは拡大したものの,価格の下落は続いているという。
売り上げ比率で39%を占める半導体素子部門も7.1%の売り上げ増と好調だった。薄型テレビ向けパワーMOSFETや,携帯電話機向けの小信号タイプのダイオード,車載機器向けのパワー・ダイオードなどの売り上げが伸長した。
通期(2006年4月~2007年3月)の業績見通しは,売上高が4010億円(前年度比3.4%増),経常利益が800億円(同2.0%増)とする。集積回路部門で3.9%の増収,半導体素子部門では5.3%の増収,受動部品部門では2.3%の減収,ディスプレイ部門も1.9%の減収と慎重な予測を掲げている。下期の懸念材料として同社は,価格競争の激化や米国の景気減速,同社製部品の採用市場における秋以降の生産調整などを挙げている。
なお,同社は決算発表と同日,チップ積層セラミック・コンデンサ事業を村田製作所に譲渡することを明らかにした(Tech-On!関連記事)。
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