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 「4K(4000×2000画素)時代にもデコーダとして使えると信じている」。

 2006年11月15日に開幕した放送機器関連の展示会「Inter BEE 2006」で,ソニー SVP B&P事業本部 副本部長の尾上善憲氏が,ソニーグループがIBM社,東芝と開発したマイクロプロセサ「Cell」の用途についてこう語った。放送局やコンテンツ制作会社などの編集端末として,Cellを搭載するサーバー機を検討しているという。

 Cellはソフトウエアの開発負担が大きいとして,内部に限らず外部企業との協業を進めていることも明かした。

 「ポストHD」の技術開発の例として,4Kのフレーム速度を現行の6倍くらいまで上げていきたいとした。米大手映画会社7社による業界団体Digital Cinema Initiatives, LCC(DCI)が定めるデジタル・シネマ仕様では,4Kのフレーム速度は24フレーム/秒であり,ソニーが開発する技術は144フレーム/秒ということになる。

 このほか,通信事業者による映像配信,いわゆるIPTV関連の活動として,NTTが推進するNGN実験に参加するとした。同社は2005年に,インターネット対応のビデオ会議システムや監視カメラ関連製品の共通ブランドとして「IPELA」を立ち上げていた。IPELAはHDTVにも対応しており,「NGNのようにセキュアなパイプがあればIPELAも生きてくる」と期待を語った。