半導体製造装置最大手の米Applied Materials, Inc.(AMAT)の2006年度通期(2005年11月~2006年10月)決算は,半導体市場の成長を受けて好調だった(リリース)。売上高が対前年度比31%増の91億7000万米ドル,純利益が同26%増の15億2000万米ドル,新規受注高が同55%増の98億9000万米ドルといずれもと大きく伸びた。
4Qの新規受注先は日本が首位
2006年度第4四半期(2006年8月~10月の3カ月間)は,売上高が対前年同期比47%増の25億2000万米ドル,純利益が同82%増の4億4900万米ドル,新規受注高が同59%増の26億9000万米ドルだった。第3四半期に比べると,売上高が1%,純利益が12%それぞれ減少し,新規受注高は1%増加した(Tech-On!関連記事1)。
好調だった第4四半期の新規受注高の地域別比率は,首位が日本の22%で以下,台湾21%,北米19%,韓国15%,東南アジアおよび中国13%,欧州10%の順である。同社は,2006年度の業績好調の理由として,「フラッシュ・メモリーの需要増加」(President and Chief Executive OfficerのMichael R. Splinter氏)を挙げており,第4四半期もフラッシュ・メーカー向けで大きな受注を獲得していると見られる。第4四半期末の受注残高は34億米ドルである。
新規参入部門の4Q売上高は2000万米ドル
AMATは,米Applied Films Corp.の買収(Tech-On!関連記事2)に伴って第4四半期に財務報告体制を変更した。今回は,「Silicon」(シリコン),「Fab Solution」(ファブ・ソリューション),「Display」(ディスプレイ),「Adjacent Technologies」(関連技術)の4部門の業績を個別に発表している。
このうち,Fab SolutionはLSI工場の管理やサポートに関わる部門である。AMATはこの11月に米Brooks Softwareの買収を発表し,装置ユーザーの工場運営を最適化する包括的なコンピュータ統合生産(CIM)ソリューションを実現する意向を明らかにしている(Tech-On!関連記事3)。Adjacent Technologiesは,太陽電池やフレキシブル薄膜デバイス,ガラス基板デバイス向けの装置事業を手掛ける部門。AMATはこの事業をApplied Filmsの買収によって本格化させた(Tech-On!関連記事4)。
各部門の第4四半期の売上高は,Silicon部門が16億1000万米ドル,Fab Solution部門が5億9000万米ドル,Display部門が2億9600万米ドル,Adjacent Technologies部門が2000万米ドルとなっている。
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