ブリヂストンは2006年11月20日,中期経営計画の目標値と具体的な戦略を明らかにした。同社は,将来的に連結でのROA(総資産利益率)を6%にすることを目指しており,その足掛かりとしてROAを2010年に5%,2011年に5%超まで高めることを目標とする。実現に向けた戦略として,高付加価値商品の開発,原料から販売までの垂直統合体制の強化,戦略的事業ユニット(SBU)制の採用を推進する。
高付加価値商品に挙げられているのは乗用車用のランフラット・タイヤやトラック・バス用の低扁平率ラジアルタイヤなど。さらに,こうした製品群においても価格競争力を付けるため,材料費の改善や生産技術力の強化などに取り組む。
垂直統合体制の強化のポイントは,(1)天然ゴムや合成ゴム,カーボンといった原材料分野での開発・生産(2)生産設備の開発・生産(3)自社直轄やフランチャイズによる販売店網---に関する資産の再活用。製品だけでなく周辺のサービスを組み合わせたビジネスモデルの開発を急ぐ。
SBUは地域別に六つ,商品別に二つの計八つを設立し,各SBUを支援する「グローバル経営プラットフォーム」も構築する。各プラットフォームには経営・管理や開発,生産技術に関する機能を持たせ,各プラットフォームを本社が管理するという組織体制に移行する。「世界各地のニーズを感じ取り,スピーディかつグループでグローバル最適に対応できる経営体質」(同社)を目指す。SBUやプラットフォームの詳細は2007年春の完成を予定する。