NECは2006年度通期(2006年4月~2007年3月)の連結決算について予想を下方修正した。なお,同社は米国証券取引委員会(SEC)への年次報告書の提出が遅れている関係で,2006年度通期予想を日本会計基準で作成した(Tech-On!関連記事)。以下に示す前年度比は,いずれも2005年度実績を同基準で算出した場合のものだ。
売上高は前年度比5.1%減の4兆6800億円,営業利益は同37.4%増の1000億円を見込む。純損益は前年度の51億円の赤字に対して180億円の黒字になる見通しだ。
低迷した前年度に比べると利益は改善するものの,当初の予測(米国基準で作成)に比べると売上高で2200億円,営業利益で300億円の下ぶれ。会計基準の違いによる影響を除くと,売上高で3000億円,営業利益で100億円,当初予測を下回ることになる。
売上高の下方修正について同社は,国内向け携帯電話機の販売が前回予想を下回る見通しとなったこと,欧州向けパソコン事業を2006年10月に売却したことが主な理由と説明する。営業利益の下方修正は,減収に伴う減益に加え,将来発生する可能性があるソフトウエアの瑕疵補修などにかかる費用を上期(2006年4月~9月)に見込み計上したためという。