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三菱電機による量子暗号通信システムの出展
三菱電機による量子暗号通信システムの出展
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 三菱電機は,ITU TELECOM WORLD 2006に量子暗号通信システムを出展している。

 量子暗号は光子に情報を載せて送信する暗号通信方式であり,送信情報を第三者が盗聴すると対象情報そのものが変化してしまうという量子力学の不確定性原理を応用する。物理現象を利用するため,現在一般に利用されている数学的な暗号よりも安全性が高いとされる。

 同社の量子暗号通信システムでは,情報そのものではなく共通鍵を暗号化する。通信速度がまだ8ビット/秒程度に限られているからである。この伝送速度は,1MHzの光子発生源を用いて,96kmを伝送させるシステムにおける値である。通信速度が上げられない理由は,光子発生源から外部に取り出せる光子が限られること,伝送路での損失などがあるという。

 今回の展示では量子暗号に必要な光学系装置は持ち込まず,ノート・パソコンによるシミュレーションのみにとどめていた。

 同社の研究は,情報通信研究機構(NICT)が高度通信・放送研究開発テーマとして委託されたものである。委託期間は2006年度~2010年度末までであり,この期間内に1Mビット/秒の50km伝送を目指すとしている。光子の発生源を現在の1MHzから1GHzまで引き上げ,受信側の感度を上げるなどすることで目標を達成したいとしている。