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 デジタル家電の市場調査を手掛けるBCNは,大手家電量販店22社2300店舗の月次販売実績の集計を2006年11月分まで公開した。この統計をもとに同社は,薄型テレビ市場が2007年に踊り場を迎えると予測している。

 成長鈍化を懸念する理由は大きく分けて2つ。1つは,2006年のサッカーW杯,2008年の北京五輪に挟まれて2007年は薄型テレビ需要の盛り上げ要素に欠けること。もう1つは,PDPテレビの低調だ。これに,2006年10月の薄型テレビ販売の一時的不振という要素を加えて,2007年を「踊り場」とした。


図1●50インチ以上の薄型テレビ販売台数の構成比
 PDPテレビは台数ベースでは好調だが,金額ベースでは10月に前年同期比2%減,11月は8%増とひところの勢いを失っている。50インチを超える大画面市場で液晶テレビがシェアを拡大したことの影響が大きい(図1)。PDPの販売台数に占める大画面機種の比率が縮小したことに加え,厳しい価格競争にさらされたことで平均販売単価が大きく下がった。売り上げ比率で約1/2を占める32インチ以上40インチ未満の平均で,前年同月から26%低下している。

 10月の薄型テレビの販売金額は,PDPの落ち込みもあって前年同月比で3%増。30%前後で推移してきた成長率が1ケタに落ち込んだ。年末商戦での値下がりを期待した消費者の買い控えや,一部の新製品の投入遅れなどが影響したとみられる。翌11月には伸び率は再び26%まで回復したが,「年末商戦向け新製品の投入も始まった10月に成長率が急落したのは,市場が今後伸び悩む兆し」(BCN取締役の田中繁廣氏)との見方もある。

強さ際立つシャープと松下


図2●2006年11月の液晶テレビの販売台数シェア
 メーカー別の動向では,シャープと松下電器産業の好調が際立っている。シャープは,2006年11月の液晶テレビの販売台数シェアで約6割を獲得(図2)。同月における32~37インチ市場の販売台数ベスト10に「AQUOS」が6機種ランクインしており,値下げ幅も他社製品より小幅にとどまっている。

 松下電器は2006年11月のPDPテレビの販売台数シェアで約3/4を占めた。同社のPDPテレビ事業は,50インチ以上の販売台数構成比が15%を超えるなど,高価格帯の大型機種の比率が高いのが特徴だ(図3)。


図3●松下電器産業と日立製作所のPDPテレビ販売台数の構成比

 両社は,DVDレコーダ市場でもシェアを拡大した。テレビとのリンク機能を持つDVDレコーダが,テレビの販売増に引っ張られるかたちで売り上げを伸ばしている。11月のDVDレコーダ販売シェアは,松下電器が29%,シャープが27%と,テレビ市場の2強がここでも存在感を示した(図4)。


図4●DVDレコーダの販売台数シェア(左:2005年10月~12月,右:2006年11月)