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 「腹をくくって見切り発車するしかないんです」――。パナソニック ファクトリーソリューションズ(PFSC)が2006年12月6日からパシフィコ横浜で開催している内覧会「パナソニックFAショー」において,環境関連のブースに立つ説明員が「中国版RoHS」に対してもらした言葉である。中国版RoHSは,2007年3月1日に中国で施行される予定の環境規制「電子情報製品汚染防止管理弁法」のこと。2006年7月1日に欧州連合で施行されたRoHS指令を発端として検討されたことから,中国版RoHSと呼ばれることが多い。

 ただし中国版RoHSは,施行まであと4カ月と迫りながら,いまだ全容が明らかになっていない(2006年12月4日号の日経エレクトロニクスの特集記事を参照)。このため,国内メーカーの多くは焦りを隠さない。正式な情報の発表が遅れているうえ法律の解釈もあり,「何が正しい情報なのか判断がつかない」といった声も聞こえてる(注1)。

 PFSCが展開する実装機などの製品は,欧州連合のRoHS指令では対象外だったが,中国版RoHSでは対象製品となっている。「我々にとって,初めて有害物質規制と向き合うことになる(注2)」(PFSCの説明員)。しかも,工場などで利用する装置であることから,工場が密集する中国への輸出量は「非常に多い」(説明員)という。そこでPFSCは,情報が錯綜する中国版RoHSへの対処のため「さまざまな情報を組み合わせ,我々の判断である想定ラインを設定し,それに向けた対応を進めている状況」(説明員)という。それが,冒頭のコメントの意味である。

(注2)PFSCはこれまでも,RoHS指令の適用対象外ではあるものの環境保全の立場から最大限対応してきた。ただし今回は,本格的に規制に向き合うことになる。


 PFSCが見切り発車の一例として挙げたのが,これまでに中国に出荷した中古品を対象と考えるかどうかである(注3)。「中国版RoHSにおいて,中古品が対象になるのかはまだ決まっていないが,我々は,今のところ『対象外』として対応を進めている」(PFSCの説明員)。

(注3)中古品の中国への出荷が対象と考えるかどうかである。国内の顧客へ出荷した新製品が中国へ持ち込まれるケースがあるからである。


 しかし,この点においてもメーカーによって判断のズレが生じているようだ。「ある国内機器メーカーが先月,部品や装置などの納入業者を集めて,中国版RoHS指令に向けた説明会を開催した。我々もそれに参加した。その機器メーカーは,『中古品も対象と考えている』とコメントした」(PFSCの説明員)という。こうした混乱は,しばらくの間頻発することになるだろう。

【修正】

(注1)本誌の判断により,表現を一部変更いたしました。

【追加】 PFSCからの申し入れにより,注2,注3の二つの注釈を追加いたします。