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 インテル,ビットワレット,マイクロソフトは,3社が共同で推進する「スマートデジタルライフ推進プロジェクト」の進捗状況を発表した。同プロジェクトは,非接触IC認証技術「FeliCa」に基づくビットワレットの電子マネー「Edy」を用い,電子商取引の発展・普及を目指すもので,2006年6月から1年間の予定で活動している(関連記事)。始動当初に掲げた三つの目標は,すでに達成または達成の見込み。これまでの活動に加え今回,新たな取り組みとして,50~60代のシニア層向けにプラットフォームとなるパソコンの開発に取り組んでいることを明らかにした。


対応サイトの獲得は好調も,利用は…


 同プロジェクトの目標は,(1)Edy対応のオンライン・サービスを2006年6月時点の1400サイトから約3000サイトに増やすこと,(2)FeliCa対応のリーダー/ライターを搭載するパソコンおよび外付けのリーダー/ライターの年間出荷台数を2006年6月時点の100万台から300万台に増やすこと,(3)Edyを使った電子決済のオンライン取引高を2006年6月時点の2倍に増やすこと,という3点。
 Edy対応サイト数については,プロジェクトの発表後,2006年7月末で約2200サイトと急速に伸び,始動から半年弱となる現在ではすでに目標の3000サイトを達成したという。これを受け,新たな目標として,2007年春には1万サイトを超えることを目指すとしている。現在の3倍という強気の目標設定だが,すでに対応に向け進行中の案件数などを理由に,達成へ自信を見せた。
 Edyによる決済の取引高は,目標の約60%を達成したという。2006年11月の決済件数は,2006年6月比約20%増の1500万件。対応サイトの増加のわりに伸びは鈍いが,残り半年で達成できるペースで推移している。なお,増加を牽引している商品は,デジタル・コンテンツだという。
 ただし,FeliCa対応ハードウエアの出荷数は現在,目標の25%程度。これについては,2007年1月30日にマイクロソフトが発売予定のOS「Windows Vista」対応パソコンで巻き返しを図るとしている。2006年6月時点で,FeliCa用リーダー/ライター内蔵パソコンはソニー製とNEC製を中心に35機種ほどだったが,現在はほとんどの国内主要メーカーが対応し70機種ほどに倍増とする。Vistaの発売に当たっては,積極的にFeliCa用リーダー/ライターのVista用ドライバなどを提供し,パソコン・メーカーもエンド・ユーザーもシームレスに移行できるようにする。また,Vistaには,デジタル・コンテンツの扱いを念頭に,リモコンでの操作など家電のようなユーザー・インタフェースを提供する「Windows Media Center」が標準で搭載される。より操作が簡単なユーザー・インタフェースを提供でき,初めての人でもFeliCa利用の敷居が下がると見ている。Media CenterのECサイトは現在クレジット決済を利用しているが,Edyに対応していく構えだ。


シニアにも簡単,タッチ3回でお店に誘導


 新規ユーザーとして有望なのは,シニア層と主婦層であるとする。プロジェクトの一環として行ったアンケート調査で,特に40代以上の主婦,シニア層の女性に手ごたえを得た。これらを受け3社は,シニア層などが「簡単に安心して便利に」使用できるFeliCa対応パソコンの開発に向け,12月初旬から3ヶ月間の予定で実証実験を始めた。埼玉県川口市のマンションで30世帯を対象に,シニア層などに向けてコンセプト・パソコンの試作機を提供している。試作機は,インテルのCPU「Core 2 Duo」とマイクロソフトのVista評価版,FeliCaリーダー/ライターを搭載したもの。さらに,「簡単」を実現するため,タッチパネル・モジュールを取り付け,これで操作できるEdy対応サイトへの誘導ランチャを用意した(写真)。シニア層にも馴染み深い銀行のATMのような四角いボタンのGUIを採用している。これにより,タッチ3回でサイトまで誘導する。実験では,大きく分けて,デジタル・コンテンツ,通信販売,チャリティ/募金のカテゴリを用意しているが,製品化が実現すれば,いずれ自治体サービスというカテゴリも設けたいと考えている。

シニア向けコンセプト・パソコンの試作機
シニア向けコンセプト・パソコンの試作機
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