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 イスラエルMetaLink Ltd.は,次世代の無線LAN規格であるIEEE802.11nのドラフト版に準拠するチップセット「WLANPlus」の量産版を開発した(ニュース・リリース)。以前に同社が開発したWLANPlusの第1世代品は実演用で,量産は想定していなかった。Metalink社は,2007年第2四半期~第3四半期をメドに同チップセットを量産出荷する予定という。

 MetaLink社の11nチップセットの特徴は,HDTV映像の伝送などデジタル家電向けの用途を狙っていること。同社は,2007年ごろから無線LAN搭載の家電機器が爆発的に増えると見ており,2007年以降に製品を投入したい考えである。

WiFi Allianceの家電向け規格に適合

 Metalink社は量産版WLANPlusの開発に当たり,11nの豊富なオプション機能の中でも,HDTV映像の伝送に適した機能を選んで実装したという。

 一つは,2.4GHzと5GHzに対応したことである。新たに5GHz帯に対応させたのは,WiFi Allianceで定める家電向け11nチップセットの仕様が,5GHz対応を義務付ける見込みだからだ。Bluetoothや電子レンジなど干渉波が多い2.4GHz帯では,HDTV映像データを安定して伝送しにくいためである。同じく安定したデータ伝送を実現するため,QoSに関する802.11eにも対応している。

 もう一つは,MAC機能をサポートしたこと。パソコン用モジュールではMAC機能はパソコン本体が担当できるが,デジタル家電は一般にCPUの処理能力に余裕がないことに配慮した。

 MIMOは,通信品質の維持とDSPの処理性能を勘案して,2×3構成とした。このほか,20MHz帯を二つ束ねて40MHzとするChannel Bonding,パケットをバースト伝送するPacket Aggregation,より符号化の効率を高めたLDPC FECに対応する。この四つのオプション機能にすべて対応したチップセットは,今のところ同社の製品だけという。

 同社が発売するチップセットは,ベースバンド処理回路やMAC処理回路を持つ「MtW8171」と,RF無線回路を持つ「MtW8151」から成る。MtW8171は225端子のLFBGAパッケージに封入する。実装面積は13mm×13mm。90nm世代のCMOSプロセスで製造する。MtW8151は,88端子のQFNパッケージに封止する。実装面積は10mm×10mm。SiGe60プロセスで製造する。すでに2006年11月よりODM向けにリファレンス・デザインを提供しており,WiFi Allianceが11nドラフト対応品の認証を始める2007年6月以降に量産を始める予定である。