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 松下電器産業の松下ホームアプライアンス社は,松下冷機,松下食品システムとの3社で構成する松下電器産業ホームアプライアンスグループが,中期成長戦略に伴い,生産拠点と開発拠点を再編すると発表した(発表資料)。

 同グループはこの再編で,顧客への納期の最適化や商品力,コスト競争力強化のための世界規模での最適地生産体制の構築を目指す。再編する生産拠点は,冷蔵庫用コンプレッサと食器洗い乾燥機の拠点である。

 現在の冷蔵庫用コンプレッサの生産拠点は,海外ではシンガポール,マレーシア,中国の3拠点,国内では松下冷機藤沢拠点(神奈川県藤沢市)の合計4拠点である。今回の再編に伴い,海外では2007年度からマレーシアの「パナソニック冷機デバイス マレーシア」,2008年度から中国の「パナソニック冷機デバイス無錫」において,インバータ機種と最新高効率機種を生産するという。これは,現在国内で生産しているインバータ・タイプのコンプレッサの国内顧客が,今後は海外に生産拠点をシフトすることを見据えたもの。また,松下冷機藤沢拠点を2008年3月ごろに閉鎖し,国内のコンプレッサ生産を2008年度から草津拠点(滋賀県草津市)に移管・集約する。草津拠点には,同グループの研究開発部門,ものづくり・品質保証部門の集結が予定されており,商品開発などにおいても連携を強化するとしている。

 食器洗い乾燥機に関しては,現在国内の三国拠点(大阪府豊中市)で生産している卓上型の食器洗い乾燥機の生産を,2008年2月をめどに中国浙江省杭州市のパナソニックHA杭州(輸出加工区)へ移管する。ビルトイン型食器洗い乾燥機の生産は,2008年8月をめどに草津拠点に移転する。ビルトイン型食器洗い乾燥機では,草津拠点に集約が予定されている研究開発部門との連携を密にし,商品開発力の強化を図るという。

 同グループの技術本部および研究所部門は,現在3ヵ所に分散しているが,2007年12月にこれらを草津拠点内に集約するという。この移転により,従来から草津拠点にある冷熱空調研究所と合わせて研究開発機能を集中化する。異なる商品分野のブラックボックス技術の融合などにより,先行開発力やコスト競争力を強化するとともに品質の向上を図る。草津拠点には研究部門に加え,知的財産権部門やデザイン部門であるパナソニックデザインも集約する。