PR
富士通の「FMV-TEO」
富士通の「FMV-TEO」
[画像のクリックで拡大表示]
ソニーの「VGX-TP1」
ソニーの「VGX-TP1」
[画像のクリックで拡大表示]

 2007年1月15日の国内パソコン・メーカー17社による一斉発表に続き,16日にソニー,17日に松下電器産業が発表して,主要メーカーによるWindows Vista標準搭載パソコンが一通り出揃った。Windows Vistaが持つ新しい機能にどうメーカーが取り組んだかや,資源の制約が厳しい軽量ノート・パソコンでどうWindows Vistaに対応させるかが一つの注目ポイントとなった。

 今回発表されたコンシューマ向け製品では,これまで以上にテレビとの融合,特にデジタル地上波放送対応を強化している製品の多さが目立った。その中でも,富士通とソニーは,家庭の大画面テレビに接続して使うモデルを発表した。HDMI入力端子を備えたテレビに接続する。

 富士通の「FMV-TEO」は,DVDレコーダーと似た筐体を採用しており,テレビ台やオーディオ・ラックに収まる形状を採用した。色合いもAV機器風で,パソコンであるにもかかわらずそこにあって違和感がない。マイクロプロセサは1.66GHz動作の「Core2 Duo」で,主記憶は1Gバイト。Windows Vista Home Premiumを搭載する。

 ソニーは「VGX-TP1」に「テレビサイドPC」というニックネームを付けた。ユニークなのは直径約27cmの円筒状の筐体を採用したこと。同じサイズの円形筐体を採用したデジタル・テレビ・チューナーも提供する。リビングルームで自己主張の少ない白色を採用し,一見したところ化粧箱のように見える。マイクロプロセサは1.66GHz動作のCore2 Duoで,主記憶は1Gバイト。Windows Vista Home Premiumを搭載する。

軽量ノート機では対応分かれる

 一方,Windows XPよりも重たいWindows Vistaに,軽量型ノートPCをどう対応させるかも気になるところ。Home Premium対応にするか,Home Basicでよしとするか。またビジネス用途を意識してBusinessを搭載するか。メーカーの対応は分かれた。

 NECとソニーはHome Premium採用に動いた。NECは重量約1kgの「LaVie J」に1.06GHz動作のCore Duoプロセサを搭載。主記憶を1Gバイト備えることで,Home Premiumに対応してきた。ソニーは1kg前後の「type T」と「type G」,PDA型の「type U」の店頭市販モデルの主記憶をそれぞれ1Gバイトに増やしてPremium対応とした。type Tのマイクロプロセサは1.2GHz動作の「Celeron M」。type Gとtype Uは1.2GHz動作の「Core Solo」である。

 富士通は逆に,Premium対応はモバイル機「LOOX T」の最上位機種のみに限定。最上位の「LOOX T70U」は1.2GHz動作のCore Soloを搭載し,主記憶を1Gバイト載せている。下位機種のT50U/VとT50Uは1.2GHz動作のCeleron Mに512Mバイトの主記憶を組み合わせて,Home Basic対応とした。

 企業ユーザー向けのWindows Vista Businessを採用したのが東芝と松下電器だ。東芝は1.24kgの「dynabook SS SX/15A」に1.2GHz動作のCore Soloを搭載した。主記憶は1Gバイトあり,アイコンなどを透かして表示したり,3次元の表現を可能にするWindows Vistaの新しいユーザー・インタフェース「Aero」も十分に動作すると見られる。

 松下電器は定評ある「Let'snoteシリーズ」すべてでCore Duoプロセサを採用。その一方で主記憶は512Mバイトにとどめた。このためBusiness版だがAeroを標準で無効にしている。「Aeroを動かすには,やはり1Gバイト程度の主記憶を備えることを推奨する」(テクノロジーセンター ハード設計第一チームの星野央行主任技師)。