米Cisco Systems, Inc.の事業部Cisco-Linksys, LLCは米国ラスベガスで開かれた2007 International CESに合わせて,会場近くのホテルで同社が2007年中にネットワーク家電に搭載する予定のユーザー・インターフェース(UI)「Zoomable User Interface」(仮称)のデモを見せた。Cisco社が傘下に収めているLinksysブランドの家庭内ネットワーク機やKiSSブランドのネットワークAV機器に搭載し,テレビをディスプレイとして使ってこれらの機器を操作できるようにする。開発には2年半をかけたという,
Cisco社は実演で,Zoomable User Interfaceが家内ネットワークに接続された機器や機器内のコンテンツや音楽配信などのインターネット・サービスを操作することに向いていることをアピールしていた。具体的な実現方法には言及しなかったものの,「弊社以外の機器もこのUIで操作できるようにしたい。今後,このUIからユーザーが持つ全てのコンテンツをどこにいてもアクセスできるようにしたいと我々は考えている」と壮大な計画を語った。最終仕様ではないという理由から,Cisco社はUIの撮影を禁止した。
Zoomable User Interfaceは,ネットワークに接続してある機器を示したアイコンをリング状に並べる。このUIを操作するため,ジャイロスコープを搭載した円形のリモコンを開発した。「ユーザーにできるだけ操作を簡単にさせたい」(Cisco社)ため,このリモコンはオンやホールド,右クリック,左クリックのボタンと,ボリューム調整などに利用できるホイール以外には,ボタンを備えていない。ユーザーがリモコンを持った手の手首を回すと,画面上のカーソルが移動する。カーソルがあるアイコンの上に重なると,そのアイコンが自動的に拡大する。そこでリモコンの右クリック・ボタンを押すと,アイコンを選択できる仕組みだ。
端末の仕様によってある程度変更を加える可能性があるものの,同社は今回のUIをすべての家庭向け製品に搭載することを予定している。つまり,同社の傘下にある米Scientific-Atlanta, Inc.のセットトップ・ボックス製品にも搭載するように調整を進めているという。