電子ブック事業を展開するイーブック・システムズは,電子ブック・コンテンツのポータル・サイト「Flib」を開設した(発表資料)。同社が配布する閲覧ソフトウエア「FlipViewer」に対応したFlipBook形式のコンテンツを無償で公開している。現時点では雑誌や小説,絵本を中心に取り揃えており,今後は出版社に働き掛けてコンテンツの拡充を図るという(Flibのwwwサイト)。
FlipViewerはシンガポールE-Book Systems社が開発したソフトウエアで,書籍や雑誌といった紙媒体を読むのに似た操作感で電子ブックを閲覧できる特徴を備える。イーブック・システムズによると,米Microsoft Corp.の次世代OS「Windows Vista」を搭載するパソコンの一部には,このFlipViewerがプリ・インストールされるという。具体的にはNECパーソナルプロダクツや富士通,日本ヒューレット・パッカード,日立製作所,シャープが2007年1月下旬から出荷を始めるパソコンなどだ。「3年後には,国内で2000万台のパソコンにFlipViewerの環境が普及していると見込んでいる」(イーブック・システムズ)。
イーブック・システムズが手掛ける電子ブック事業は,コンテンツを無料で閲覧できるようにし,広告収入によって収益を上げるビジネス・モデルを採る。今回公開したポータル・サイト「Flip」においても,電子ブック・コンテンツは無償で公開している。ただし出版社の意向次第によって,コンテンツを有償で配布するポータル・サイトの開設も検討するという。