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 米Agilent Technologies Inc.は,自社の広帯域サンプリング・オシロスコープ「Agilent 86100C DCA-J」用に,3種類のオプションを発表した(発表資料日本語)。(1)新開発のクロック・リカバリ・モジュールとソフトウエアによる位相雑音/スペクトラム解析システム「Agilent 83496B」,(2)雑音解析機能を強化し,相対光雑音(RIN)も1台で測定できるようにするソフトウエア「Agilent 86100C DCA-J option 300」,(3)40Gビット/秒の高速光伝送システムでも正確な光アイ測定を可能にした光/電気測定モジュール「Agilent 86116C」の三つである。

 Agilent 86100C DCA-Jはオシロスコープ機能のほか,デジタル・コミュニケーション・アナライザ(DCA)機能,タイムドメイン・リフレクトメータ(TDR)機能,および光または電気信号におけるジッタ測定機能を搭載している。

 Agilent 83496Bは,50M~13.5Gビット/秒対応のクロック・リカバリに内蔵した広帯域位相検波器に直接アクセスすることで,クロック信号だけではなくデータ信号における位相雑音およびスペクトラム・ジッタの解析も可能にしたもの。周波数ドメインでジッタを表現する位相雑音測定を,Agilent 86100C DCA-Jのジッタ解析機能に組み合わせることにより,ジッタの要因解析を効率的に行えるとしている。スプレッド・スペクトラム・クロック(SSC)といった変調度の大きな信号でもリカバリできるよう,ループ帯域範囲を10MHzまで拡げた。

 Agilent 86100C DCA-J option 300は,インターフェアレンスおよび雑音の解析ソフトウエア。時間方向の揺らぎであるジッタ解析に加え,振幅方向の揺らぎであるインターフェアレンスと雑音の解析を正確に行うことで,時間/振幅両面から,アイを閉じる劣化要因の特定,ビット誤り率(BER)特性の予測を効率的に行えるようにするという。また,Agilent 86116Cと併用すると,レーザ光源のRIN測定を効率良く行えるとしている。RINのほか,光変調振幅度(OMA),Q値も,光アイ・パターン波形の雑音解析から測定できる。

 Agilent 86116Cは,光信号測定帯域65GHz,電気信号測定帯域80GHzを超える入力帯域とより正確なアイ・パターン測定を可能にするモジュール。新たに伝送レート40Gおよび43Gビット/秒の規格に準拠した光レシーバを標準装備した。

 日本国内では2月1日に発売し,4月に出荷を開始する予定。PCI Express 2など2Gビット/秒を超えるデジタル通信や,10Gビット/秒さらに40Gビット/秒の光通信システムとそれらに搭載される光トランシーバなどの研究開発,検査用途に向ける。参考価格は,Agilent 83496Bが約292万円から,Agilent 86100C DCA-J option 300が約33万5000円,Agilent 86116Cが約812万4000円。