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 神戸製鋼所はこのほど,チタンの上工程から下工程までの一貫生産能力を拡充する。高砂製作所では「チタン新溶解工場」を建設すると共に,「型打鍛造設備」を改造。加古川製鉄所では「チタン薄板連続焼鈍酸洗ライン」を,グループ企業の神鋼特殊鋼管では「チタン溶接管ライン」を増強する。設備投資額は約50億円。生産能力を高めることにより,次世代航空機向け航空エンジン用の合金チタン鍛造品や,中国/中東向けインフラ用の純チタンなどの需要拡大に対応していく。

 新溶解工場は,現有溶解工場の隣接地に建設し生産能力を30~40%高める。真空アーク溶解法を採用した新溶解炉には,チタンスクラップを投入できる「神戸法」を導入する。稼動開始は2008年1月。型打鍛造設備では,コンピュータ制御化と力量安定化を図り,航空エンジン用ディスク材などの合金チタン鍛造品の高付加価値化ニーズに応えていく。稼動開始は2007年5月。一方,チタン薄板連続焼鈍酸洗ラインでは通板能力を,チタン溶接管ラインでは造管能力をそれぞれ約30%増強する。前者の薄板連続焼鈍酸洗ラインは既に稼働中で,後者のチタン溶接管ラインについては2007年5月に稼動開始予定。