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NECエレクトロニクス代表取締役社長の中島俊雄氏
NECエレクトロニクス代表取締役社長の中島俊雄氏
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2006年度第4四半期(2007年1月〜3月)も赤字の見込み
2006年度第4四半期(2007年1月〜3月)も赤字の見込み
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 「第4四半期はさらに悪化しそうだ」(NECエレクトロニクス代表取締役社長の中島俊雄氏)。NECエレクトロニクスは,2006年度第3四半期(2006年10月~12月)の決算を発表した。売上高は対前年度同期比9.3%増の1779億円,営業損益は38億円の赤字だった。

 2006年度第4四半期(2007年1月~3月)は売上高が減少するために,さらに赤字が拡大するとした。8四半期連続での赤字が避けられない状況となった。赤字体質からの脱却に向けて,2007年2月22日に構造改革プランを発表することも明らかにした。

 第3四半期の売り上げが伸びたのは,任天堂のゲーム機「Wii」向けのグラフィックス処理LSIによるものである。そのほかに自動車向けLSIやフラッシュ内蔵マイコンなども好調だった。これに対して,携帯電話機用メモリーやプリンタ向けLSIが売り上げを落とした。全体としては売上高が増えたものの,研究開発費などの増加によって,38億円の赤字となった。

製品開発力とコスト競争力を強化

 2006年度第4四半期は,DVDドライブ向けLSIなどが低調に推移することから売上高が伸び悩む上に,工場の稼働率が現在の約9割から約8割にまで低下する見込み。構造改革プランで発生する一時的な費用と合わせて,第4四半期は100億円以上の赤字になるという。

 構造改革プランは「人員削減や工場の閉鎖といったリストラとは違う」(中島氏)とした。不調の原因として(1)世界一の製品が少ない,(2)コスト競争力が低いという2点を挙げて,得意分野にリソースを集中して製品開発力を高めるとともに,開発投資の効率化や成熟製品の海外生産シフトの加速でコスト競争力の強化を実施する。

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