![]() 代表取締役社長 兼 会長の小野寺正氏。肩書きで「会長」より「社長」が先に来るのは「社長が本業だから」(同氏)。 |
KDDIの2006年10月~12月期決算は増収ながら減益だった。売上高が前年同期比12.6%増の8576億3500万円,営業利益が同4.7%減の866億3200万円である。携帯電話番号ポータビリティ(MNP)を追い風とした契約増で売り上げは伸びたが,販売コミッション(端末販売奨励金)が増えたことや広告宣伝費がかさんだことで利益は落ち込んだ。販売コミッションは,平均単価を前年同期と同等の3万5000円に据え置いたが,販売台数が前年同期より2割ほど増えたため,総額がふくらんだ。
2006年12月31日までのMNPによる他キャリアからの転入は63万2000件,転出は14万8000件だった。10月~12月期におけるauの純増数は,ツーカーからの移行や新規契約を含め,前年同期の約1.5倍の131万2000件に上る。
代表取締役社長 兼 会長の小野寺正氏は,「MNPの総利用数は予想したほどではなかったが,当社としては順調な滑り出し。今後のMNP利用動向については,最大の商戦期である3月になってみなくてはわからない。当社としては3月に向けた施策などは特に考えず,当たり前の努力で顧客満足度を上げていきたい。販売コミッションの平均単価も上げるつもりはない」とした。
通期は増収増益,ツーカーの移行も順調
同社は2006年度通期(2006年4月~2007年3月)の業績予想を上方修正した。売上高は前回予想に370億円を上乗せして3兆3300億円(前年度比8.8%増),営業利益は240億円引き上げて3420億円(同15.3%増)とした。修正の主な理由としては,契約数の伸び,解約率の低下(10月~12月期は前年同期の1.11%に対して1.00%),通期のARPU(1契約当たりの月間平均収入)が6600円で期初予想を上回る見込みであること,ツーカーからauへの移行が予測より早く進んでいることなどを挙げる。
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