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 電子情報技術産業協会(JEITA)は,2006年度第3四半期(2006年10月~12月),および2006年通期(2006年1月~12月)のパソコン出荷実績を発表した。第3四半期は,総出荷台数が前年同期比10%減の288万7000台(国内259万1000台,輸出29万6000台),出荷金額は同14%減の3387億円(国内3068億円,輸出319億円)。2006年通期は,総出荷台数が前年比3%減の1347万9000台(国内1233万4000台,輸出114万5000台),出荷金額は同7%減の1兆6468億円(国内1兆5095億円,輸出1374億円)となった。通期で前年を下回るのは4年ぶり。

 第3四半期が,台数/金額とも前年を大きく下回ったのは,マイクロソフトの新OS「Windows Vista」の発売遅れの影響。Vistaは2007年1月30日に個人市場向けに発売を予定しており,第3四半期は各メーカーの新商品の投入も少なかった。こうした理由から,買い控える個人ユーザーが多かったと予測する。一方で企業向け市場は企業の好成績や景況感の回復などを背景に,引き続き堅調に推移。特に企業のセキュリティ意識の高まりに合わせて,各メーカーからは指紋認証機能などいろいろなセキュリティ機能を搭載した製品が投入されるなど,需要に広がりが見られた。JEITAでは出荷実績を,個人向けと企業向けとで正確に分けたデータを持っていないが,個人向けはおよそ前年同期比20%減,企業向けは前年並みだという。

 平均単価は直前の四半期から1000円低下して11万8000円となった。ノート型は12万5000円,デスクトップは11万円。ハードウエアに高い仕様を要求するVistaの投入を控えているだけに,各メーカーは基本性能を上げた製品を市場投入したことが,単価の下落幅を小さくしたと予測する。

 2006年通期では,出だしとなる2006年1月~3月の四半期が,前年同期比3%増と好調だったものの,4月以降は個人の消費・支出が薄型テレビや海外旅行などに分散したため低調に推移。さらに前述したように,10月~12月は大幅に落ち込み,通期で前年を下回る結果となった。

 また,2006年度(2006年4月~2007年3月)の国内出荷台数についてJEITAは予測を下方修正した。前回公表の1350万台に対して1290万台と予測した。第4四半期(2007年1月~3月)は,Vista発売により前年同期比10%増という特需を見込むものの,2006年12月までの実績が響き,下方修正することとなった。