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エリスネット社長の石井利幸氏
エリスネット社長の石井利幸氏
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 半導体および電子部品の情報検索サイト「ELISNET」および販売サイト「ELISshop」を運営するエリスネット(本社東京)は,電子部品の情報検索サービスなどを提供するするPartsWay(本社東京)から,コンテンツ配信事業を継承する。両社のコンテンツが統合されることで,204社から提供される約200万品種の半導体,電子部品が検索できるサービスが誕生する。事業の継承時期は2007年4月1日の予定で,PartsWayは3月末で会社を解散する予定。

 PartsWayは,電子情報技術産業協会(JEITA)の支援を得て,大手電子部品メーカーの出資により,2002年4月に設立された。JEITAが提唱する部品情報記述標準のECALS辞書を維持管理するとともに,参加メーカーからECALS辞書に基づいた部品情報を収集し,配信するなどのサービスを行ってきた。

 一方,エリスネットは1990年の設立当初から,半導体や電子部品のカタログ情報をデータベース化し,ユーザーに提供してきた。ECALSの活動にも積極的に参加。2004年からは,すべてECALS辞書に準拠した部品情報を提供してきた。

 これまで両社は,電子部品の情報提供という側面では競合関係にあった。ただし,エリスネットが提供してきた情報は,半導体に関するものがメインで,電子部品に関してはアルプス電気やTDK,村田製作所の品種が抜けているなど,十分なものではなかった。一方,PartsWayが提供する情報には半導体関連はないものの,電子部品の中にはこれら大手電子部品メーカーのものも含んでおり,充実したものとなっている。

これまでと同じ環境で検索が可能

 両社は,同じ土台を基にして情報が提供できるようにすることを目的に2年前から協議してきた。その結果,PartsWayの事業をエリスネットに継承することで合意した。これまでエリスネットは164社から約160万品種の情報を収集しており,一方でPartsWayは66社から約100万品種の情報を収集している。統合後は,この二つを合わせた上で重複分を取り除いた,いずれもECALS辞書に準拠した204社,約200万品種の情報が格納された,巨大なデータベースができあがることになる。さらに2007年9月までには220社,約220万品種まで,提供できる情報を増やす予定。

 料金体系はエリスネットのものを継承(例えば,定額料金制であれば税込みで8400円/月,10人まで利用可能)し,値上げはしない。また,ユーザー・インタフェースを一本化する予定は当面なく,それぞれがこれまでの検索サイトから統合されたデータベースに対して,検索,閲覧ができるようにする。

 今後はさらにデータベースの充実を図るとともに,日本電機工業会や日本電機制御機器工業会などの各工業会が独自で定めた技術仕様などからも,部品が検索できるような機能を付け加える。また,部品に含有した化学物質に関する環境情報の整備なども行う。