オムロンは,HDMI信号を光ファイバで伝送し,伝送距離を電気伝送時よりも大幅に延長する変換モジュールを出展した。光通信技術の展示会「第7回ファイバーオプティクスEXPO(FOE 2007)」(2007年1月24~26日,東京ビッグサイト)で公開し,映像を550m伝送するデモンストレーションを実演した。
HDMI1.3の場合,電気伝送では,映像や音声データを伝送するチャネルが3チャネルとクロック信号を伝送するチャネルが1チャネル,他に制御信号を伝送するチャネルが2チャネルなどのチャネル構成になっている。
今回の変換モジュールではまずこれらの電気信号を,4本のデータ用チャネル(一方向)と,1本の制御信号用チャネル(双方向)に変換する。次にそれぞれを電気・光変換器で光信号に変換し,CWDM(疎な波長多重)素子で多重して1本の光ファイバに流す。データ用チャネルはそれぞれ1.65Gビット/秒,または3.5Gビット/秒の伝送速度を持つ。
当面の想定用途は,CAD用のパソコン間を接続したり,放送局などの業務用機器間の接続。「電気伝送の伝送距離は最大20mが,光伝送では500m程度に延長できる」(オムロン)。モジュールはすでに出荷を始めている。2008年初頭前後には,「光ファイバ・エクステンダ」というケーブル製品の形でも発売する計画という。