キヤノンは,2006年10月~12月期の業績を発表した。売上高は前年同期比8.6%増の1兆2165億3500万円,営業利益は同15.7%増の1958億7000万円と好調を維持している。2006年通期では売上高が4兆1567億5900万円,営業利益が7070億3300万円で,7年連続の増収増益となった。
好決算の牽引役となったのはカメラ事業だ。10月~12月期の売上高は前年同期比16.7%増の3464億3900万円,営業利益は同46.9%増の926億1200万円だった。年間では売り上げが初めて1兆円の大台に乗った。この事業の売り上げの3/4を占めるデジタル・カメラは,年間販売台数が前年比25%増の2110万台。このうち一眼レフ機は32%増の250万台と大きく伸びた。2006年末時点でのカメラ事業におけるたな卸資産の回転日数も27日と,前年同期より5日短くなっている。
主力の事務機事業も好調だ。10月~12月期の売上高は前年同期比8.2%増の7649億9500万円,営業利益は同10.2%増の1655億5600万円だった。光学機器及びその他事業は,売上高が2.0%減の1572億300万円,営業利益が54.2%減の39億2100万円と減収減益。液晶パネル製造向け露光装置の需要が,前年の積極投資の反動で低調に推移した。
2007年通期については,売上高が4兆4500億円(前年比7.1%増),税引前純利益が7750億円(同7.8%増),純利益が4950億円(同8.7%増)と予測する。好材料として同社は,デジタル・カメラの新興市場での伸び,半導体製造向け露光装置の堅調な需要を挙げる。一方で懸念材料としては,プリンターや複合機の市場での価格下落や,液晶パネル・メーカーの投資抑制を挙げた。
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