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 米Spansion Inc.の2006年10月~12月期決算は,同社の期初の予測を下回った(発表資料Tech-On!関連記事1)。売上高は前年同期比16%増の6億8730万米ドル,営業損失は1570万米ドルだった。増収ではあるものの,7億1000万米ドル以上としていた売り上げ予測を下回り,黒字化を予測していた営業損益では,赤字幅を直前四半期の1000万米ドルから拡大する結果となった。

 目標未達に終わった理由をSpansion社は,高密度のNOR型フラッシュ・メモリを搭載する携帯電話機の需要が減退したためと説明する。1個のセルに2ビットのデータを格納する「MirrorBit」技術を用いた品種の売上比率が思うように伸びず,携帯電話機向け部門の利益率が下がった。ただし,携帯電話機向けMirrorBit品の需要は2007年1月~3月期は回復しているという。

 同社は決算発表資料の中で,MirrorBit技術を採用したORNAND型フラッシュ・メモリの90nm世代品を市場投入したことを10月~12月期のハイライトに挙げた(Tech-On!関連記事2同3)。日本の携帯電話機メーカーへのOEM出荷金額は12月末までで6000万米ドルを超えている。65nm世代品のサンプル出荷も始めており,今後は韓国などへの供給も計画しているという。

2006年通期は3割増収,赤字も縮小

 2006年通期の業績は,売上高が前年比29%増の25億7930万米ドルで,営業損失は前年の約1/3となる9080万米ドルまで縮小した。MirrorBit品の売り上げは前年の約1.8倍の13億米ドルと大きく伸びた。同社推計によれば,NOR型フラッシュ・メモリ市場における同社のシェアは,前年から4ポイント上昇して30%となった。

 2007年の業績については,1月~3月期は売り上げ,利益ともに2006年10月~12月期と同等になると予測している。2007年通期ではNOR型フラッシュ・メモリ事業の成長により10~15%の増収を見込む。

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