米Microsoft Corp.は，米国時間の2007年1月29日にニューヨークで「Windows Vista」と「Microsoft Office 2007」の発売イベントを開いた。現地の気温は日中でも氷点下と，真冬らしい冷え込み。それでも発表会場となったNokia Theaterという劇場は，集まったMicrosoft社の幹部や関係者の熱気に包まれていた。Microsoft社によると，この日はWindows VistaとOffice 2007は，70カ国にある計3万9000の店舗やオンライン・ショップで一斉に発売されたという。Windows Vistaの動作認定を受けた機器は2500種類とする（発表資料）。これについて，Microsoft社CEOのSteve Ballmer氏は「歴史上最大規模のソフトウエアの出荷だ。業界に最も大きな影響を与える」と自画自賛した。その背景には，2006年のクリスマス商戦を予定していた発売を延期したことや，Vistaが売り物とする機能の多くは先に米Apple Inc.が「Mac OS X」に採用しているとする業界の批判に反論したい思いがありそうだ。
Ballmer氏と共にステージに立ったMicrosoft社 chairmanのBill Gates氏はWindows Vistaを12年前に発売したWindows 95と比較した。「Windows 95の時代はインターネットはなく，パソコンはほぼスタンドアローンで使われていた。デジタル民生機器が普及した現在では，多くの消費者がパソコンを携帯電話機などと接続することが当たり前だと思っている。このためWindowsは，多数の企業が製品に採用することで業界の中心的な役割を担う」（同氏）。
Ballmer氏によると，Windows Vistaの販売実績は発売後3カ月以内に，同期間のWindows 95に比べて5倍，Windows XPに比べて2倍と予測した。パソコン業界からWindows Vistaの支持を表現するため，米Advanced Micro Devices, Inc. Chairman兼CEOのHector Ruiz氏や米Dell, Inc. Chief Executive OfficerのKevin Rollins氏，米Hewlett-Packard Co. Executive Vice President, Personal Systems GroupのTodd Bradley氏，米Intel Corp. Executive Vice PresidentのSean Maloney氏，東芝 PC＆ネットワーク社 執行役上席常務の能仲久嗣氏が，Ballmer氏とGates氏と共に舞台に登場した。
Windows Vistaの全世界での出荷は日本を含めて2007年1月30日から始まる。イベントを盛り上げるようと，Microsoft社は世界中で100以上の記念イベントを開く。ニューヨークではビルの外側で，曲芸師たちがWindows VistaやWindows Office 2007の「人間ビルボード」を実現した。これのほか，フランスのパリや米シアトルで花火大会，ブラジルでビーチ祭りなどを開いた。
