PR

 三菱樹脂は,液晶や半導体製造装置などの材料として使用される工業用硬質塩化ビニル板「ヒシプレート」の全製品において,鉛系安定剤を使用しない鉛フリー製品の開発を完了した。これら全製品に対し,順次,鉛フリー製品への切り替えを実施する。工業用硬質塩化ビニル板の全製品を鉛フリー化するのは業界初だ。

 欧州での特定有害物質の使用制限に関するRoHS指令や,国内のPRTR法(化学物質管理促進法)など,各国で環境負荷物質の低減に向けた動きが活発になってきている。それを受けて,三菱樹脂では2005年から,工業用硬質塩化ビニル板で使用している鉛系安定剤の使用中止を目指し,他の安定剤への切り替えによる鉛フリー化の検討とその開発を進めてきた。

 安定剤は,塩化ビニル製品の物性の変化や品質低下を防ぐために使用するが,鉛系安定剤は汎用的で品質にも優れているため,工業用塩化ビニル板の安定剤として広く使用されてきた。同社は,鉛を使わない安定剤を見つけ,色調や耐熱性,引っ張り弾性率などの変化を,生産条件の改良や配合設計の工夫で軽減し,すべての製品において鉛フリー化を実現した。

 また,工業用硬質塩化ビニル板を使った各種製造装置の組み立て時に使用する塩化ビニル系の補助材料でも,一部の製品を除き鉛フリー化を実現しており,近日中にすべての補助材料で鉛フリー化を実施する予定。