村田製作所は2006年10月~12月期の連結決算を発表した。売上高は対前年同期比12.3%増の1458億1300万円,営業利益は同21.7%の313億5200万円だった。携帯電話機,ノート・パソコン,薄型テレビ,ゲーム機,カーナビなどの需要が拡大したことを受け,業績は順調に推移した。
製品別では,同社の売上高のうち約4割を占めるコンデンサ部門が好調で,売上高は前年同期比20.9%増の565億円だった。特に,10μFや22μFの大容量品と0603サイズなどの小型品がそれぞれ同4割増に,低ESL(等価直列インダクタンス)品は同2割増になり大幅に伸びた。同社のコンデンサを採用するAV機器や通信機器,パソコン,携帯電話機などの台数が増えたことに加え,1台当たりに使用するコンデンサの数が増加していることがコンデンサ部門の好調の一因となっているとする。圧電製品部門は,表面波フィルタなどが好調で売上高は同11.8%増の212億円となった。
Bluetoothモジュールなどの高周波デバイス部門の売上高は,前年同期比6.1%増の281億円と,伸びが鈍化した。Bluetoothモジュールはプリント基板タイプが減少したものの,LTCC(低温同時焼成セラミックス)基板にBluetooth機能とFMチューナを実装したモジュールなどは増加した。
前年同期に比べて微減となったのはモジュール製品部門である。売上高は前年同期比1.1%減の152億円だった。通信機器向けのVCO(電圧制御発振器)などが減少したが,薄型テレビやパソコンに向けた電源は好調だった。また,地上デジタル放送用チューナは携帯電話機に向けた表面実装型品が好調で,今後も伸びが期待できるとする。
コンデンサはさらに伸びると予測
同社は2007年3月期の連結業績見通しを,見直さないことを明らかにした。ただし,製品別の売上高については予想を修正している。コンデンサ部門の売上高は,2006年10月発表時には前年同期に比べて20%増としていたが,今回25%増へと上方修正した。携帯電話機で2月後半から3月にかけてさらに生産が活発化すると予想されることを理由とする。コンデンサ全体では同社の得意とする大容量品に対する需要が高まっているだけでなく,総需要が2~3割増加すると見込んでおり,さらなるシェア拡大を目指す。一方,下方修正したのは高周波デバイス部門で,25%増の予想を18%増へと見直した。見直しの理由として,今四半期,同社のBluetoothモジュールを搭載する各社の高機能携帯電話機が予想していたほど伸びなかったことや,モジュールではなくディスクリート部品や内製品を利用する機器が多かったことを挙げる。
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