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無線タグ市場に「非接触マイコン(contactless microcontroller)」と「非接触メモリ(contactless memory)」を展開(図:Infineon Technologies社)
無線タグ市場に「非接触マイコン(contactless microcontroller)」と「非接触メモリ(contactless memory)」を展開(図:Infineon Technologies社)
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「HF PJM」の応用先の一つに,カジノのチップがある(図:Infineon Technologies社)
「HF PJM」の応用先の一つに,カジノのチップがある(図:Infineon Technologies社)
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メモリ容量が異なる複数のチップを提供している(図:Infineon Technologies社)
メモリ容量が異なる複数のチップを提供している(図:Infineon Technologies社)
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 「物にIDを割り当てる用途がこれから拡大していく」--。無線タグ(RFIDタグ)向けチップ事業を手掛けるドイツInfineon Technologies AGは,自社の優位点として製品群の幅広さを訴求する。無線タグへの要求仕様は用途に応じてさまざま異なるからだ。同社でDirector Contactless Memories & RFID, Chip Card & Security ICsを務めるTilo Pannenbaecker氏に事業概要を聞いた。

(聞き手=堀切近史,日経エレクトロニクス)

-- 最近の無線タグ(RFIDタグ)市場動向を教えて欲しい
Tilo Pannenbacker氏
 やはり物(object)に固有の番号(ID)を割り当てて把握する市場に注目している。物が相手だけに,物流やFAなど用途は幅広い。
 無線タグはこれまで,電子パスポートや決済カード,鉄道チケットなど個人の識別に活用する用途を中心に拡大してきたが,今後は物にIDを割り当てる市場も急速に拡大すると考える。

-- この無線タグ市場でどのような事業展開を視野に入れているか
Tilo Pannenbacker氏
 我々は幅広いRFIDタグ製品を用意することで,用途に応じて性能やコストが最適な製品を提供していく。
 例えば個人の識別用途向けには「非接触マイコン(contactless microcontroller)」と呼ぶマイコン内蔵チップを提供し,物の識別用途には「非接触メモリ(contactless memory)」と呼ぶチップを展開している。現段階における両者の事業規模を比較すると,出荷量は非接触マイコンの方が若干上回る程度だが,売上高では非接触マイコンの方がはるかに大きい。非接触マイコンはOSの搭載が可能で,単価が相対的に高いからだ。ただし今後は,非接触メモリ型が数量も売上高も大きく伸ばしてくることになるだろう。

-- 実際にどのような製品を用意しているのか
Tilo Pannenbacker氏
 非接触メモリ型の市場でも,詳しく見ると用途が多数存在し,それぞれ要求仕様が異なっている。そこでメモリ容量や無線周波数,チップ寸法などが異なる複数のチップを展開中だ。
 例えば13.56MHzの無線周波数に対応した製品群として,大きく3シリーズを展開している。「HF Plain」「HF PJM」「HF Secure」である。このうち今後,最も数量が伸びると見ているのがHF Plainだろう。技術的には既に確立済みで,最も低価格に提供できる。あくまで参考価格だが,1000万個以上導入した場合,タグ1個の価格は約10円程度としている。日本はFA市場で引き合いがあると考える。
 HF Plainは簡易な個人の識別用途にも展開している。イベントやスキー場の入場券などである。欧州ではこうした用途において,バーコードからの移行が本格化している。例えばスキーの入場券用途向けの出荷個数は,今シーズンだけで300万枚に達する。

--HF PJMはどういった製品なのか?
Tilo Pannenbacker氏

 HF PJMは,多数の無線タグを重ねて置いた状態でも読み書きできる特徴がある。phase jitter modulationと呼ぶ変調方式などを採用して実現した。
 日本市場では文書管理市場を有力視して,日本信号と提携した(Tech-On!の関連記事)。銀行や政府機関などで使われていくとみている。重ねて置いた状態でも読み書きできる特徴を生かして,カジノのチップにも採用されている。Macaoのカジノで既に実績があるほか,Las Vegasのカジノでも今年に採用例が増える見通しだ。