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 日産自動車の「スカイライン,ステージア,セドリック,グロリア」に載る
「VQ25DD」「VQ25DET」「VQ30DD」エンジン。
軽快な走りを支えるのは回転数の幅いっぱい落ちないトルク。
吸気側のカム軸に可変バルブタイミング機構を採用した。これは定石通り。
ただし,この機構に油圧を使わず電気を使う。これは世界初だ。
エンジンの回転力を巧妙に組み合わせ,少ない電磁力をトリガーとして
バルブタイミングを変える回転力を得る。

愛野浩史 日鍛バルブ技術研究所 第2技術開発部長 兼 設計グループリーダー

 『日経メカニカル』は2001年4月号でも群馬大学が開発中の「油圧を使わない可変バルブタイミング機構」をメカニズム解剖のページで紹介した。それからいくらもたたない6月,日産自動車が「スカイライン」(図)をモデルチェンジ,エンジンに電磁制御の可変バルブタイミング機構を搭載してきた。実用化はこれが初めてになる。モータでなく電磁石を使うタイプ,日鍛バルブ製だ。

まず吸気側,そこから排気側を回す

 まず,可変バルブタイミング以前に,カム駆動系全体の動きから紹介する。今回取り上げた部品は「NT-VCP」(日産自動車での呼称はeVTC)と呼ばれ,吸気側のカム軸に付く。クランク軸からタイミングチェーンで吸気側のカム軸を回し,排気側は隣りの吸気側カム軸から別の短いチェーンで回す。タイミングチェーンは共に6.35mmピッチのサイレントチェーンだ。

 次ページのイラストをご覧いただきたい。上が「NT-VCP」全体。中央より右側にある大きなスプロケットがクランク軸からのチェーンの力を受け,右隣りの小さなスプロケットが排気側のカム軸につながるチェーンを回す。この二つは固定してあり,回転をそのまま伝える。つまり排気弁のタイミングは変わらない。

 吸気側のカム軸はNT-VCPの内側にあるスプラインシャフトから右へ伸びる。スプロケット部と,吸気側のカム軸との間の角度を変えることによってバルブタイミングを変える。(以下、「日経メカニカル2002年3月号」に掲載)

電磁制御可変バルブタイミング機構の動作
電磁制御可変バルブタイミング機構の動作
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【図】日産自動車の「スカイライン」 可変バルブタイミング機構を使ったV6エンジンで軽快に走る。
【図】日産自動車の「スカイライン」 可変バルブタイミング機構を使ったV6エンジンで軽快に走る。
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