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普及してきた自動水栓。
手を近づけると水が出る。離すと止まる。
センサ,電磁弁がエネルギを使う。
従来はわずかな電力のためにコンセントを設置していた。
あるいは電池を使い,メンテナンス要員が交換していた。
どちらにしても大変な手間だ。
中を水が流れているではないか。その力を使って発電してはどうか。
こうして,超小型の「水力発電所」が生まれた。

濱中龍美 東陶機器電子水栓グループ・グループリーダー
本田忠洋 東陶機器電子水栓開発グループ
金子義行 東陶機器機電開発部

 実は水流で発電する自動水栓は他社にもある。ここで強調したいのは「エコマークを取った」ことだ。自動水栓の世界でも,今後「エコマーク」の有無を問われることになる。「エコマーク」は大きな差異化ポイントであり,開発は「業界初のエコマーク」を目標に進めてきた。

 動力を使わないことは他社の製品でもできる。問題になるのは使う水の量。例えば水を6L/分も使い,その勢いで発電するようではエコマークは取れない。「エネルギも水も」節約することを要求されるわけだ。

 エコマークは5L/分でも取れるのだが,目標は4L/分に設定し,それを達成した。どんな給水圧力でも,バラつきを含めて5L/分を超えない仕様にするためには,目標は5L/分でなく4L/分でなければならなかった。1回に5秒間水を出す場合,4L/分でも,1日に11回使えば電力を賄える。普通の公共施設の使い方では十分ということだ 。

ノズルは太過ぎず細過ぎず

 水栓に向かう流路に水力タービンを置き,その回転力で発電機を回す。発電した電力はコンデンサに蓄え,手を感知するセンサと,水を流したり止めたりする電磁弁に使う。わずかこれだけのためにコンセントを設置したり,電池を使い,それを交換するのは無駄が多い。

 水はタービンに対して接線方向に当たり,軸方向に抜ける。接線方向のノズルを90゜間隔に4カ所置き,4方向から水が出てくるようにした。このノズルの設計で,タービンの性格は大きく変わってくる。ノズルの太さをどうするかがまさに「ミソ」である。

 ノズルが細ければタービンに当たる流速は大きく,発電量を大きくできる。ただし,それではノズルで絞られるために圧力損失が出てしまう。全体の流路抵抗が大きくなり過ぎ,必要な水量が得られない。つまり一般の発電所のように「効率が高ければよい」というわけにいかない。

 逆にノズルが太いとタービンでの流速が十分に取れず,発電量が足りなくなる。適当なノズルの太さを求める必要があった。(以下、「日経メカニカル2月号」に掲載)

自動水栓の動作
自動水栓の動作
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【図】TOTOの水力発電タイプ自動水栓「アクアオート・エコ」
【図】TOTOの水力発電タイプ自動水栓「アクアオート・エコ」
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