PR
左が「Agilent 7890A」,右が「Agilent 5975C」。
左が「Agilent 7890A」,右が「Agilent 5975C」。
[画像のクリックで拡大表示]
サンプルを分流させるための薄い板。前面から出ている細い管がカラム。
サンプルを分流させるための薄い板。前面から出ている細い管がカラム。
[画像のクリックで拡大表示]

 アジレント・テクノロジーは,ガスクロマトグラフ「Agilent 7890A」と,7890Aに質量分析計を付けた「同5975C」を2007年3月1日に発売する。分析時間を約3割短縮できるとともに,一度のサンプル注入で最大三つの経路に分けた三つの検出器での同時検出を可能とした。価格は7890Aが250万円から,5975Cが850万円から。

 アジレントのガスクロマトグラフおよびガスクロマトグラフ/質量分析計は,世界市場ではシェア1位。しかし,日本市場に限っては,島津製作所に次いで2位に甘んじている。このため,新製品の投入により島津製作所を追い抜くことを狙う。

 ガスクロマトグラフの市場は,このところ拡大基調にある。例えば,石油・石油化学業界では原油価格の高騰で資金に多少余裕ができるとともに,設備の買い替え時期も重なってガスクロマトグラフに需要が出てきている。また,バイオディーゼルなど新エネルギー分野でも需要が広がりそうだ。一方で,ガスクロマトグラフ/質量分析計は安全性などが声高に叫ばれている食品業界などで需要が高まると予測している。

分流のために薄い板を利用

 7890Aは,前機種と比較して精度の高いガス圧力や流量の制御機能を搭載するとともに,サンプルを分割,分流させられる機構を搭載した。通常,ガスクロマトグラフでは,細長いカラムという管に気化したサンプルを流して成分を分離。出口から出てきた成分を検出器で測定して,その量を測定する。これまで,一度のサンプル注入では,一つの検出器しか利用できなかった。このため,一つの検出器ですべての成分を測定できない場合は,検出器を変えて測定するために,複数回サンプルを注入せざるを得なかった。

 7890Aは,カラムの流れを分割,分流させるために,内部が空洞になっている薄い金属性の板を利用する。その空洞の中に,サンプルを分流するための流路があり,二つもしくは三つのカラムへと分流させる。熱サイクルにさらされる中で長期間に渡って高い信頼性を確保するために,このような構造としたという。

 精度の高いガス圧力,流量制御機能は,分析時間の短縮を可能とした。実際のクロマトグラフ分析に要する時間は短くできないが,きめの細かい制御を実施することで,前処理時間や後処理時間を大幅に短縮する。ある分析では,従来はクロマトグラフ分析に42分,前処理と後処理を含んだ分析に82分掛かっていたのものが,7890Aではトータルで53分にできるという。

 5975Cは,7890Aを利用するとともに,微量のイオンでも検出できる機能を搭載した。これにより,従来は8時間掛かったサンプルの評価が30分に短縮できた例があるという。また,これまでは検出できなかった99種類の化合物の検出が可能になった。

 両機種の発売と同時に,複数の7890Aおよび5975Cの稼働状況を同時に監視できるソフトも発売した。リアルタイムで各機の稼働状況を監視するとともに,これまでの稼働履歴からメンテナンス時期を警告してくれる機能などを持つ。

 また,インターネットを通じて顧客の事業所などに設置された7890Aおよび5975Cを,アジレント・テクノロジー側から遠隔で監視できる「インテリジェント・サービス」も開始する。何か故障が生じた場合は,顧客がアジレント・テクノロジーのサービスセンターに連絡。顧客の許可を得た上で,ガスクロマトグラフの制御装置の状態をインターネット経由で分析して,故障の状況を把握する。設定の変更だけで修復する場合は,サービスセンター側から遠隔で操作することも可能。また,ハード的な故障の場合も,ある程度の要員が把握できた上でサービス要員が顧客を訪問できるので,効率的な解決に役立つ。

連絡先:カストマコンタクトセンター
電話:0120-477-111


【訂正】記事掲載当初,「一度のサンプル注入で最大三つの含有成分を検出できるようにした」としていましたが,正しくは「一度のサンプル注入で最大三つの経路に分けた三つの検出器での同時検出を可能とした。」でした。お詫びして訂正します。記事の文面は修正済みです。