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車椅子のままでバスに乗ってくる乗客。
駐車ブレーキがあるとはいえ,
車椅子をどこかに固定しないと危険だ。
イラストの装置にタイヤを挟んでスイッチを入れると,一瞬で固定できる。
バスのバリアフリー化はこの装置で完成する。

浜野繁雄  オーテックエルコ第一営業部次長

 バスのバリアフリー化が進んできた。乗り込んだ後は段差のない低床バス,空気ばねを利用し,ドア側に傾いて乗り降りをしやすくするニーリングバス。最近のバスなら車椅子の人も気楽に乗ってくる。

 いや,本当に気楽だろうか。車椅子は車体に固定する必要がある。従来はベルトとバックルを使うことが多い。運転手が席を離れ,手伝ってくれる。この間数分,ほかの乗客は目のやり場に困りながら待つ。これでは気楽とはいえない。

タイヤとハンドリムを両側から固定

 オーテックジャパンはバスに車椅子を固定する装置「チェアロック」を開発した。オーテックエルコが販売する。ベルトを使わず,タイヤを挟んで固定する。バス会社の運用次第だが,技術的には乗客が自分で操作して固定することができる。運転手が補助するにしても極めて短時間で済む。

 問題はどんな車椅子が来るか分からないこと。車椅子の側にせめて基準面,できればバス側と結合する継手のようなものがあれば楽なのだが,これが全くバラバラだ。

 一つだけ共通なものはある。車椅子には必ずタイヤがある。また,手で握って前に押すハンドリムがある。その二つは必ず平行だ。ここを挟んで固定するというのが一つの解決法になる。車輪とリムの合計幅が100mm以下であれば,特殊な車椅子を除いてほぼ対応できる。

二つのリンクがタイヤを鋏む

 車椅子の後輪をチェアロックのホイールガイド部に入れ,入れた車輪をタイヤスイッチに押し当てる。するとタイヤスイッチが入り,固定の準備ができる。できたことを知らせる緑色のパイロットランプがついたのを見て操作スイッチを押す。

 ここから機械が動作する。インナリンク,アウタリンクという大きな二つのリンクの動きが全体を支配する(図)。両リンクは図の左側(イラストでは右手前)に共通の回転中心を持ち,右側を閉じていくとタイヤとハンドリムに締め付ける。何もない状態でさらに閉じると,インナプレートパッドとアウタプレートパッドが接触するまで動ける。(以下、「日経メカニカル4月号」に掲載)

バス用車椅子固定装置の動作(<A href="571l.mov">クイックタイム ムービー版はこちら (880K)</A>)
バス用車椅子固定装置の動作(<A href="571l.mov">クイックタイム ムービー版はこちら (880K)</A>)
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【図】タイヤ,ハンドリムから離れた,最も開いた状態。矢印は閉じる方向。
【図】タイヤ,ハンドリムから離れた,最も開いた状態。矢印は閉じる方向。
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