PR
Xilinx社,Sr. Manager,Product Marketing,Spartan Series,General Products DivisionのForrest Huff氏
Xilinx社,Sr. Manager,Product Marketing,Spartan Series,General Products DivisionのForrest Huff氏
[画像のクリックで拡大表示]


 米Xilinx,Inc.は,フラッシュ・メモリを内蔵した低価格FPGA「Spartan-3AN」を発売した(Tech-On!関連記事)。コンフィギュレーション・データを格納するためのフラッシュ・メモリを,90nm世代のFPGAチップの上に積層し,1パッケージに収めた。記者発表会に合わせて来日した,Xilinx社,Sr. Manager,Product Marketing,Spartan Series,General Products DivisionのForrest Huff氏に,新製品の狙いや今後の展開について聞いた。(聞き手:大石 基之=日経エレクトロニクス) 

問 従来のフラッシュ・メモリ内蔵FPGAと,今回のSpartan-3ANの違いは何か。

Huff氏  他社が製品化している従来のフラッシュ・メモリ内蔵FPGAは,製造に使うプロセス技術の世代が古かった。このため,ゲート数やメモリ容量を大きくできなかったり,入出力端子数が少な過ぎる,といった課題があった。ユーザーはFPGAの仕様面で妥協を強いられていたことになる。この結果,複数個のFPGAを利用したり,追加の論理ICを使用する必要があった。これに対して,Spartan-3ANは90nm世代のプロセス技術で製造するため,ゲート数やメモリ容量などを大きくしやすい。例えば,Spartan-3ANのシステム・ゲート数は最大140万である。

問 90nm世代のプロセス技術で製造する場合でも,フラッシュ・メモリをFPGAと同一チップ上に混載する手がある。今回,なぜ,フラッシュ・メモリを別チップにしてFPGAと同一のパッケージに封止するようにしたのか。

Huff氏  フラッシュ・メモリをFPGAと同一チップに混載してしまうと,特殊な製造プロセスが必要になり,Siファウンドリーが提供する主流の製造プロセス(純粋なロジック・プロセス)が利用できなくなるからだ。Spartan-3ANでは,純粋なロジック・プロセスを利用するからこそ,最もコストが低く,かつ最も信頼性を高くできる。液晶テレビやDVDレコーダなど大量生産のデジタル民生機器に採用してもらうには,FPGAも安定的な量産体制を構築する必要がある。これには,主流のロジック・プロセスで製造することが望ましい。

問  Spartan-3AN のパッケージ内の構造はどのようになっているのか。

Huff氏  FPGAチップの上にフラッシュ・メモリ・チップを積層した構造になっている。下に置くFPGAチップの回路面は上を向き,上に配置するフラッシュ・メモリ・チップの回路面は下を向いている。上下のチップの回路が向かい合っているので,両チップを行き来する信号を盗まれにくい。

問  Xilinx社がフラッシュ・メモリ内蔵FPGAを製品化するのは今回のSpartan-3ANが初めてとなる。他社が以前から製品化する中,Xilinx社の製品化が今になったのはなぜか。

Huff氏  市場において本当の意味でフラッシュ・メモリ内蔵FPGAへの要求が強まってきたのはこの1~2年だからだ。ここにきて,大手の機器メーカーにとって,機器に搭載するLSIのセキュリティを保護する必要性が従来よりも高まっている。機器メーカーが機器の組み立てなどを外部企業に委託した際に,LSIの設計データを不正に解読され,コピー製品を作られるケースが増えてきたためである。Spartan-3ANを利用してもらうことで,こうした問題を回避できる。

問 次世代のSpartanシリーズの開発状況を聞きたい。

Huff氏  現在我々は,65nm世代のプロセス技術に基づくSpartanシリーズの開発に取り組んでいる。低価格をウリにするSpartanシリーズは量産機器向けであるため,FPGAメーカーとしても大量に出荷できるメドを立てなければ,製品発表はできない。65nmプロセスの安定性や歩留まりなどでも万全の体制を構築する必要がある。そうした条件がそろえば,発表できるだろう。