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Talus PowerとQuartz Railの位置づけ Magmaのデータ。
Talus PowerとQuartz Railの位置づけ Magmaのデータ。
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Talus Powerのボルテージ・アイランド設計機能 Magmaのデータ。
Talus Powerのボルテージ・アイランド設計機能 Magmaのデータ。
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Quartz RailのTransient Rail Analysis機能 Magmaのデータ。
Quartz RailのTransient Rail Analysis機能 Magmaのデータ。
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 米国のEDA標準化機関のAcclleraは,同機関の技術小委員会(TSC:Technical Sub-Committee)が策定した低消費電力化設計のための規格「Unified Power Format(UPF)1.0」をAccellera標準に認定したと発表した(ニュース・リリース1)。併せて同機関のホームページでUPF1.0のドキュメントの公開を始めた(当該ページ)。

 UPF1.0の内容は,1月下旬に発行された最終ドラフト版とほぼ同じと見られ,電源系や電圧アイランド,アイソレーション,フリップフロップのリテンション情報といった設計データの規格と,電源シミュレーションのための規格,スイッチング情報の規格などからなる。「内容的にはほぼ同じ」(Aceellera,Tech-On!関連記事1)という,もう一方の標準規格「Common Power Format (CPF)」の一般公開は3月4日の予定で(同2),UPFは一足先に一般公開となった。

 そのCPFは米Cadence Design Systems, Inc.が主導する形で規格策定が始まり,同社はCPF準拠の論理LSI設計システムについて2007年1月末に発表している(同3)。一方UPFはCadenceの「単独行動」に危機感を募らせた他の大手EDAベンダーが団結して規格策定が始まったもので,今回UPF1.0を公開した際には,米Magma Design Automation, Inc.と米Mentor Graphics Corp.,米Synopsys, Inc.がそろってコメントを出している(Accelleraの関連ページ)。

フロー全体をカバー

 コメントを寄せた3社のうち,Magmaが早速,UPFに準拠した消費電力関連の二つのEDAツールを発表した(ニュース・リリース2同日本語訳)。一つは低消費電力化設計フローの制御を司るツール「Talus Power」,もう一つは消費電力の総合解析ツール「Quartz Rail」である。どちらのツールも同社のRTL-to-GDS IIのインプリメンテーション・フロー全体に関連し,複数の機能を備えている。

 例えばTalus Powerは,消費電力とタイミングを同時に考慮可能な論理合成を可能にする機能を備える。この機能でクロック・ゲーティングを自動的に行い,ダイナミック消費電力を削減するという。RTLデータに指示を盛り込むことで,パワー・ゲーティング・セルやリテンション・フリップフロップの自動挿入も可能とする。

 また,リーク電流低減のためには,マルチVth(機能が同じでVthが異なる)セルの自動選択や,電源線へのMTCMOS(Multi-threshold CMOS)スイッチの自動挿入機能を備える。さらに,ユーザーが指定した情報からボルテージ・アイランドを作ったり,レベル・シフターやアイソレーション・セルの自動挿入も可能とする。DVFS(dynamic voltage versus frequency scaling)のサポートも可能という。

 Talus Powerにはクロック・トゥリーの機能もあり,クロック・ゲートのクローニングやアンクローニングなどの手法を使って従来のクロック・トゥリー合成ツールに比べて25%低電力化したクロック・トゥリーを生成できるとする。さらに電源グリッドの合成ツールも備えている。電圧ドロップや電流密度などの制約事項を与えると,最適な電源グリッドを自動生成するという。また,後述するQuartz Railと組み合わせて,デカプリング容量を最適化する機能も備えている。

 もう一方のツールであるQuartz Railも複数の機能がある。まず,ダイナミックおよびスタチックな消費電力解析機能がある。.libファイルやVCDファイルのデータを使う通常の消費電力機能と言える。次に,電源のサージなどで発生するオーバシュートやアンダシュートが与える電源電圧の変化といった詳細な解析を実行する「Transient Rail Analysis」機能がある。この機能は,内蔵のSPICEエンジンを使っての実行が可能で,IRドロップの詳細解析が行える。また上述したTalus Powerのデカプリング容量の最適化機能は,このTransient Rail Analysisを使う。

 さらに,Quartz Railは,温度解析機能やマクロ・モデリング機能,パラメータ抽出機能なども備えている。Talus PowerとQuartz Railは即日出荷可能である。