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 松下電器産業は,「業界で初めて」(同社)GaN基板を利用した青色発光ダイオード(LED)チップを開発した(発表資料)。この青色LEDチップを利用した白色LEDを2007年3月中旬から量産を開始する。

 一般的な青色LEDチップでは価格の安さからサファイア基板が多く利用されている。今回GaN基板を利用することで,発光層内における欠陥密度を1/100以下に低減したり,駆動電流の高い領域での特性を改善したりして高出力化を果たしたという。例えばGaN基板は熱伝導率がサファイア基板の5倍程度高くかつ導電性も高いため,駆動電流を高めた際の効率低下を抑えられる。

 さらに発光層であるInGaNと屈折率差が小さいGaNを基板に採用したことで,発光層からの光をGaN基板と発光層の界面で反射しにくくした。これにより,サファイア基板を用いる場合よりも光取り出し効率を1.5倍以上に高まったとする。今回の白色LEDに用いた青色LEDチップはフリップチップ実装しているため,光の取り出し側はGaN基板側となる。そこでGaN基板裏面には全反射を防止する凹凸を設けて光取り出し効率を高める工夫も施した。発光波長は460nm,順方向電流350mAでの全放射束は355mW,外部量子効率は38%である。

 GaN基板を用いればLEDなどの発光素子の発光効率といった特性が向上することは知られていた。ただし,サファイア基板に比べて価格が非常に高いことが実用化の妨げになっていた。例えば直径2インチのGaN基板は100万円程度するものもある。しかし,今回は「高出力品でなら受け入れられる価格にできると判断した」(同社)ことなどから,GaN基板の採用に踏み切ったという。1個当たりのサンプル価格は500円である。

 このほか,Auバンプを介してサブマウント上に青色LEDチップをフリップチップ実装したこと,白色LEDを仕立てるために青色LEDチップと組み合わせる蛍光体層の厚みを均一化して発光時の色むらを軽減したことも特長とする。
 
 発売する白色LEDは3種類。主に車載・照明用途に向けた「LNJ090W3GRA」,カメラ用フラッシュに向けた「LNJ0H0V8KRA」,小型の点光源タイプの「LNJ0Y0F9KRA」である。1Aで駆動時で全光束はそれぞれ,100lm,80lm,90lm。光源から測定装置までの距離を1mとしたときの照度はそれぞれ35lx,60lx,35lx。パッケージの外径寸法はそれぞれ7.7mm×4.2mm×1.5mm,4mm×4mm×1.4mm,2.04mm×1.64mm×0.7mmである。

 なお,松下電器産業は2007年2月19日に発表した白色LED光源「LUGA(ルーガ)」にて今回の青色LEDチップを採用している(発表資料)。2007年3月6日~9日まで東京ビッグサイトで開催される「ライティング・フェア2007」に同光源を出展する予定である。