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 帝人ファイバーは、繊維を垂直(タテ)方向に配向させる不織布製造設備「V-Lap」を世界で初めて導入し、高弾性で軽量な高機能不織布の事業を本格展開していくと発表した。自動車・電車・家具などのシートクッション、寝具・マットレス、自動車吸音材、断熱材などの用途を見込む。

 同社は、ポリエステル繊維クッション材である「エルク」などの原綿を生かしたポリエステル不織布製品のビジネスに力を注いでおり、その新たな事業展開を模索していた。2005年7月、大阪研究センターにV-Lapの前身である設備(ストルート試験設備)を設置し、タテ型不織布を活用した用途探索、商品開発に取り組んできた。なお、V-LapはオーストラリアV-Lap社が設計した不織布製造設備の名称。

 商品開発の結果、タテ型不織布を製造できる製法と帝人ファイバーの原綿とを組み合わせることにより、ウレタン代替を目的としたクッション材用途や、自動車向けを中心とした吸音材の用途で、性能の高い商品を開発できた。開発品のサンプルを顧客に提供したところ、高い評価が得られたため、V-Lap設備を導入し、今後本格的に事業展開していくこととした。

 従来のポリエステル不織布は、繊維の並びがヨコ方向であるため反発性が低く、上下からの圧力に弱くてヘタリやすい欠点があった。これに対してV-Lap不織布は、繊維の並びがタテ方向であることから、帝人グループで展開している高機能原綿(「エルク」「ソロテックス」など)と組み合わせることにより、反発性が高い、上下からの圧力に強くてヘタリが少ない、密度が低く通気度が高い、曲げやすくて成形しやすい、などの特徴を実現できる。

 帝人ファイバーは、日本毛織の100%子会社で不織布製造に高い技術力を持つ兵庫県姫路市のアンビックにV-Lap設備を貸与し、不織布生産を委託する。製造技術については、自動車吸音材向けV-Lap不織布製造の分野で、世界的に優れた技術を持つオーストラリアの不織布・成形メーカー、I.N.C.社と技術ライセンス契約を締結し、同社より技術を導入する。

 V-Lap不織布の販売は、基本的に帝人ファイバー短繊維事業部が行い、一部用途についてアンビックが販売する。設置時期は2007年10月、生産開始は2007年11月、総投資額は4億円。