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Qimonda社 Chief Executive OfficerのKin Wah Loh氏
Qimonda社 Chief Executive OfficerのKin Wah Loh氏
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 ドイツInfineon Technologies AGからメモリ事業部門が分離独立して2006年5月に設立されたメモリ専業メーカーのドイツQimonda AGが攻勢を強めている。2007年第1四半期(2006年10~12月期)の売上高は対前年度同期比で73%増と急拡大している。2001年には約9.2%だったDRAMの世界シェアも,2006年には15.7%に高まった。首位の韓国Samsung Electronics Co.,Ltd.(2006年のDRAM世界シェア28.7%),第2位の韓国Hynix Semiconductor Inc.(同16.5%)に続く,第3位につける。来日したQimonda社のChief Executive OfficerのKin Wah Loh氏に,メモリ事業の現状と今後の戦略を聞いた。(聞き手:大石 基之=日経エレクトロニクス) 

問 Infineon社から分社して何が変わったか。

Loh氏  Infineon社のメモリ事業部門のときは,市場の動きに応じて戦略的に事業を展開していこうとの意識が希薄だったように思う。Infineon社においてメモリは,半導体技術を開発する際のテクノロジ・ドライバととらえられていたからだ。メモリは微細化技術を開発していくために重要なのであって,市場がどういうものを要求しているのかという視点はあまり重要視されなかった。これに対して,Qimonda社というメモリ専業メーカーになることで,市場や顧客の要求により耳を傾けるようになった。

問 市場や顧客の声に耳を傾けるために,具体的にはどういう手を打っていくのか。

Loh氏  日本市場に合わせた展開として,カスタムDRAM事業を強化する。日本はデジタル民生機器の一大開発拠点となっており,他の地域と比べて,カスタムDRAMに向けた要求が強い。こうした要求に応えていく。このために,カスタムDRAM向けに,「テクノロジーサポートセンター」を設置し,顧客の多様な要望に対応していく。8名体制のテクノロジーサポートセンターを設けることで,顧客窓口の一本化,顧客のプロジェクトへの初期段階からの参加などが可能になる。

問 現在までのところ,引き合いが強いカスタムDRAMはどういうものか。

Loh氏  例えば,メイン・ボード上のダイ数を削減するために,従来,128Mビット品(×16構成)を4個利用していたものを,1個の512Mビット(×64構成)で置き換えたいという要望がある。ダイ数やシリコン面積を削減できるとともに,ボード上の配線などを簡素化できるからだ。別の例では,ASICと標準DRAMをボード上で組み合わせていたものを,DRAM混載ASICに変更したいという要求もある。メモリ・バス幅を広くすることでバンド幅を高めたり,LSIの小型化などが可能になる。このほか,メモリ・チップ内のある入出力端子の電圧を少し下げたいといった要求もあった。これらはすべて我々が対応可能である。

問 Qimonda社の経営目標を聞きたい。

Loh氏  大きく二つある。一つは,メモリ業界で生き残る上で必要な投資を敢行し続けられるだけの売上高規模を確保していくこと。現在,我々のDRAM世界シェアは約15.7%だが,今後も15~20%の市場シェアは必要と考えている。もう一つは,DRAMの価格変動の影響を受けにくい企業体質の構築である。特に価格変動が大きいのは,パソコン向けの汎用DRAMである。そこで,我々は,売上高全体に占めるパソコン向けDRAMの比率を下げていく方向で,この2年間,DRAM事業の構造改革を進めてきた。3年前の時点ではパソコン向けが我々の全売上高の約80%を占めていたが,現在は約43%に下がっている。これを40%程度まで下げるのが望ましいと考えている。これに加えて,パソコン向けDRAM事業のリスクを回避するため,パソコン向けDRAMを中心に,自社以外への生産委託比率を高めてきている。例えば,他社との共同事業体やSiファウンドリーへの生産委託である。3年前は,我々の全DRAMの約80%を自社で生産していた。自社以外への生産委託比率は20%にすぎなかった。この2年間で,生産委託比率を高めてきており,現在は自社生産分が全体の55~65%,自社以外への生産委託分が35~45%になっている。この比率を今後とも維持していく方向である。