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CPFとUPFのドキュメントの表紙ページ
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 EDA標準化機関の米Silicon Integration Initiative, Inc.(Si2)は,同機関が管理する低消費電力設計規格「Common Power Format(CPF)」1.0の一般公開を開始したと発表した(ニュース・リリース)。CPFは米Cadence Design Systems, Inc.が中核となっている組織「Power Forward Initiative(PFI)」が策定したもので,2007年1月にSi2へ移管された(Tech-On!関連記事1)。

 Si2へ移管後,Si2の下部組織「LPC(Low-Power Coalition)」がCPFの管理を担っている。移管決定後にLPCのメンバーはCPFの内容を見ることができたが,一般公開は「patent exclusionary period」を過ぎてからと決まっていた。この期間にLPCのメンバー企業が,その企業の特許がCPF仕様に侵害されないかどうか,申告することになっていたためである。

 同期間が終了する直前の3月2日に,LPCメンバー企業の一つである米Magma Design Automation, Inc.が,CPFに関連する米国特許の仮申請(provisional patent application)を行ったことを,Si2に連絡してきた(この件に関するFAQ)。CPFの仕様自体は同特許に触れないが,それを実装した際に同特許に触れる可能性があるようだ。Magmaは,同特許のライセンスを無償で提供することを拒否すると表明している。

 Magmaは,今回の仮申請がCPFの公開には影響がないとの見解を示しているようだが,CPF規格をベースに設計を進める場合には,不安が残る。米国の特許制度では,仮申請時には詳細を伏せておくことが可能で,今回もそうなっているようだ。Si2は,仮申請された特許の詳細が不明なため,現時点ではその影響を計ることは難しいとしている。ただし,LPCの活動には影響がないとして,今回,予定通りに公開に踏み切ったようだ。Magmaに対しては,同特許に関する情報をもっと出すように促している。

 なお,Magmaはもう一つの低消費電力設計規格「Unified Power Format(UPF)」に対応したEDAツールを先日発表したばかりである(Tech-On!関連記事2)。今回の仮申請は,CPF対応のEDAツールを発表したCadence(同3)への牽制球かそれ以上になるかは,現時点では不明である。

 今回,公開になったCPFの内容は,以前から伝えられているように,UPFのそれとほぼ同じと言える。UPFにあるスイッチング・データに関する記述はCPFにはないが,要となる低電力化回路の記述に関しては同等とみて間違いないだろう。Si2によれば,すでに12社以上がCPFを利用しているという。