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垂直軸回りに回転するフライホイール。
その外をカウルが何重にも取り囲む。
フライホイールが回転すると,カウルは空気に引きずられて回る。
内側は高速で,外側へ行くほど低速で・・・。
真空を使わずに空気抵抗を低減できる。
フライホイールを使う無停電電源の実用化が見えてきた。

 エネルギをためる方法にフライホイールがある。慣性力を使うため,周速さえ上げれば電池やキャパシタよりずっとエネルギ密度を上げられる。パワー密度はもっと有利だ。

 エネルギは周速の2乗に比例して増える。ところが空気抵抗も周速の2乗に比例して増える。周速を上げると空気抵抗が損失になる。無停電電源のように長い間回り続けているものは,ずっと抵抗になり続け,最後には性能を大幅に落とすことになる。

真空では解決にならない

 これまで,その対策として唯一有効だったのが真空容器中でフライホイールを回すこと。空気がないから,確かに空気抵抗はない。巨大な電力貯蔵設備などの構想では「真空中」が決まり文句だった。実はそれがフライホイールによるエネルギ貯蔵が実用化しない理由だった。

 真空では潤滑が難しく,高価な磁気軸受が必要になる。また真空中にモータ/発電機を置くと冷却が難しい。対流がないので伝導だけで熱を伝えたい。すると今度は回転に対する接触抵抗が問題になる。それでは,と真空容器の外にモータ/発電機を置けばシールが問題になる。しかも有機材料のシールは使えないから,磁性流体を使うような大げさなことになる。八方ふさがりだ。

 揚水発電所を代替する巨大な電力貯蔵「設備」ならともかく,無停電電源のような規模の装置ではとても成り立たない。何か方法はないものか。(以下、「日経メカニカル9月号」に掲載)

フライホイールを使う無停電電源の動作(<A href="576l.mov">クイックタイム ムービー版はこちら(788K)</A>)
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