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図1 インタビューに答えた,米Silicon Image,Inc. CEO and DirectorのSteve Tirado氏(左)と同社 Strategic Business Development Vice PresidentのBrett Gaines氏(右)
図1 インタビューに答えた,米Silicon Image,Inc. CEO and DirectorのSteve Tirado氏(左)と同社 Strategic Business Development Vice PresidentのBrett Gaines氏(右)
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図2 HDMI搭載機の台数
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図3 米Silicon Image,Inc.の売上高の推移
図3 米Silicon Image,Inc.の売上高の推移
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 デジタル・テレビやDVDプレーヤーといったAV機器を中心に搭載が広がる映像伝送用インタフェース「HDMI」。現在ではパソコンを始め,ビデオ・カメラやデジタル・カメラなどの携帯機器への搭載も進んでいる。2006年6月にはHDMIの最新仕様「HDMI 1.3a」が公開され,「プレイステーション3」など,HDMI 1.3a搭載品も販売され始めている。今回,来日した米Silicon Image社 CEO and DirectorのSteve Tirado氏や同社 Strategic Business Development Vice PresidentのBrett Gaines氏らに,HDMIの将来動向について聞いた。同社はオランダRoyal Philips Electronics社,フランスThomson Multimedia S.A.,ソニー,東芝,日立製作所と松下電器産業といった民生機器メーカーともにHDMIの仕様の策定に関わり,HDMI対応の送受信ICなどを手掛ける。また映像伝送用インタフェースとしては,パソコン・メーカーを中心に「UDI」や「DisplayPort」といった規格も策定されている。Silicon Image社はUDI策定の中心メンバーでもある。(聞き手:根津禎=日経エレクトロニクス)

――HDMIを搭載する機器は今後どのように増えていくと予測しているのか?
 
Tirado氏 HDMIを搭載する機器の増加の一途をたどっている。2006年だけで約6300万台の機器にHDMIが搭載され,2010年だけで3億台以上出荷される見込みである。HDMI搭載機の増加から,我が社の売上げも順調で,2006年度の売上高は3億米ドルと,2005年に比べて約40%伸びた。今後重要な位置を占めるのは,携帯機器や携帯電話機の市場だと考えている。

――HDMIの次バージョンは,携帯機器や携帯電話機への対応をさらに重視するのか。

Tirado氏 HDMIの今後の方向性は大きく二つある。一つは携帯機器や携帯電話機へ搭載しやすくすること。もう一つは家庭内ネットワークに対応することである。例えばHDコンテンツをデジタル・テレビや光ディスク・プレーヤー,パソコン,携帯型メディア・プレーヤーなどの各機器で共有しやすくしたい。このうち携帯機器や携帯電話機への対応を先に進めていきたい。

――HDMI 1.3には,携帯機器への搭載を想定した小型コネクタの仕様がある。この仕様では携帯機器への対応が不十分ということか。

Gaines氏 HDMI 1.3で規定してある小型コネクタの大きさは,デジタル・カメラやビデオ・カメラといった機器では十分だ。しかし携帯電話機へと実装するにはまだ大きい。現在の小型コネクタのさらに半分程度の大きさにしたコネクタの仕様を策定する必要があると考えている。

――携帯電話機へ搭載できるようにするために,送受信ICの消費電力をどの程度削減するのか。

Gaines氏 現在我が社の製品には,デジタル・カメラやビデオ・カメラへの搭載を想定した100mW品がある。携帯電話機へ搭載するには,消費電力を約50mWにする必要があると考えている。また送受信ICの消費電力を削減する方法以外に,USBのように電源供給の仕組みを設けることで,消費電力の問題の解決を図ることができる。

――そもそも携帯電話機でHD画質の動画を視聴する必要があるのか。

Gaines氏 確かに携帯電話機の小さな表示画面で映像を視聴するならば,HD画質の映像コンテンツである必要はない。携帯電話機ベンダーが想定しているのは,例えばHD画質の映像コンテンツを携帯電話機に格納し,その携帯電話機を大画面のデジタル・テレビに接続して見る,といった視聴スタイルだ。

――HDMI 1.3aを搭載した機器はいつから本格的に出荷されるのか。またHDMIの次の仕様はいつごろ決まるのか。

Tirado氏 2007年の春から徐々にHDMI 1.3を搭載した機器が増え,2007年のクリスマス商戦には本格的に増加すると考えている。またHDMIの次バージョンの仕様は2007年度末の仕様確定を目標としている。

――主にパソコンに向けた映像伝送用インタフェースとしてUDIが策定された一方で,パソコンではHDMI搭載機が増えている。さらにUDIを主導してきた米Intel CorpがDisplayPortの支持を表明するなどUDIの存在を懸念する声が挙がっている。UDIは今後どうなるのか。

Tirado氏 UDIだけではなく,HDMIやDisplayPortも含めた規格の将来を決めるのはあくまで市場だ。ただし,我が社としては今後パソコン市場ではHDMIに軸足を置くつもりである。