PR

 フランスCEA(原子力庁)の研究機関である「LITEN」は,2007年3月7~9日に開催された「Small Fuel Cells 2007」において,開発中のダイレクト・ボロハイドライト燃料電池(DBFC)について講演した(講演名:CEA development in Direct Borohydride Fuel Cell(DBFC))。

 同燃料電池は,ダイレクト・メタノール型燃料電池(DMFC)などで利用する,プロトンが移動する陽イオン交換膜(カチオン交換膜)ではなく,陰イオン交換膜(アニオン交換膜)を用いる。

 アノード側での反応は
NaBH4+8OH → NaBO2+6H2O+8e
となる。一方,カソード側の反応は
2O2+4H2O+8e → 8OH
である。そのため,全反応は
NaBH4+2O2 → NaBO2+2H2O
となる。

 アノード側にPt触媒を,カソード側にPt/CとCoの触媒を利用して試作したセルのアノード側にNaBH4を2M(モル),NaOHを1M混ぜた燃料を,カソード側に空気を供給した場合で最大出力密度120mW/cm2を確保したという。

 LITENでは,この値について満足しておらず,アノード側でNaBH4と水が反応して水素が発生したことが性能低下の要因としている。そこで,アノード側で水素が発生しにくい触媒について研究した結果,Pt-Ni触媒を利用することで,アノード側での水素発生量をPt触媒に比べて1/10にできるとしている。

 このPt-Ni触媒を用いて試作したセルでは,NaBH4を2M,NaOHを1M混ぜた燃料で最大出力密度200mW/cm2を達成したという。さらに,NaBH4を5M,NaOHを1M混ぜた燃料の場合では,最大出力密度140mW/cm2を示したとしている。