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「価格競争を離れて利幅を取ろう」というと,どうしても高額商品に目が行ってしまう。しかし,100円ショップにあるような商品を頭から敬遠することはない。もちろん,そんな激戦区に無造作に参入するのは無謀だが,その周辺には工夫次第で勝機がある。激安市場の周りは意外に狙い目なのである。


図1●「なだ万」のようじ
袋の中に歯間ようじが入っている。

 「なだ万」で食後に使うようじが,このごろ変わったことにお気付きだろうか(図1)。えっ,なだ万に行ったことがないって。いろんな所に行った方がいいよ。何が開発のヒントになるか分からないからね。

 以前のようじは「黒文字」ってやつだった。お茶の席なんかで出てくるよね。皮が付いてて,いかにも手作りって感じで高級感がある。見た目はいいんだけど,実は先端が太くてね,歯と歯のすき間に届かないこともある。

丸くて,しかも三角


図2●歯間ようじ
全体は丸いが先端は三角。反対側のヘラ部は,図のように掃除に使ってもよいが,先端の三角形の向きが分かりやすいという機能もある。

 ところが,今使っている「歯間ようじ」は違う。全体の断面は丸いんだけど,先端は2面をそいだ形をしている。だから残った円弧と合わせて三角形に近い断面になる(図2)。歯の方も,すき間を挟む両側の歯と,その間の歯茎で三角形になる。三角形同士で,ようじがすき間にきれいに入る。歯の表面と歯茎に面で接するから,歯に詰まった食べカスをきれいにかき出せるし,歯茎へのマッサージ効果もある(図3)。これは快適だ。


図3●三角形だとすき間に合う(左)
上の2 面で清掃,下の面で歯茎をマッサージする。
図4●丸ではすき間に合わず,歯と歯茎に負担がかかる(右)

 だから,機能を考えると,黒文字だけでなく,断面が丸い普通のようじも間違っている(図4)。丸いものは海外では「カクテルピック」といって,もともとは料理用だ。これに対して断面が三角形のものは「デンタルピック」と呼ぶ。ただ,丸ものの方が加工しやすく,安い。いつの間にか日本では「丸」がようじの主流になった。