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 日本電気(NEC)は,情報通信機器からの漏洩電磁波を小さくすることで,機器の画面に表示された情報やキーボードに入力されたキャラクタ・コード(打鍵情報)などの平文情報の盗難を困難にするセキュリティ技術を開発した(発表資料)。平文情報が重畳する漏洩電波を検知できないほど小さくできるとする。LSIの動作時に発生する電磁波を低減するためのプリント配線基板構造,電源デカップリング用線路型素子の実装技術,および,機器の筐体やケーブルのシールドによる雑音低減手法により実現したとしている。

 キーボードから入力されるキャラクタ・コードや画面表示などの含んだ漏洩電磁波から,情報が再現されてしまうセキュリティ上のリスクが問題視されている。その対策として,漏洩電磁波が受信されないよう,強い電波で撹乱する方法と電磁波の放射を抑制する方法が研究されている。

 NECでは,電磁波の放射を抑制するため,プリント基板の電源に着目してきた。電気回路が動作すると電源に発生する電力の変動が,電磁波漏洩の原因となるからだ。同社はこれに対し,電源配線をフィルタやコンデンサを用い電気的に分離して,電磁波を発生源近傍に閉じ込める電源デカップリング手法を採用した。今回は,コンデンサ性能を併せ持つ低域通過型フィルタとして,低インピーダンス線路型素子(LILC)を電源配線の途中へ挿入する実装技術を開発している。これに加え,基板構造および筐体やケーブルのシールドを見直したことで,漏洩電磁波は,国内で一般に適用される規制値より40dB小さい値(電力比で1万分の1,テレビ放送波の約100万分の1相当)にまで低減できたという。

 同社は,2007年3月14日~16日に早稲田大学 大久保キャンパス(東京都 新宿区)で開催された「第21回 エレクトロニクス実装学会 講演大会」で,同技術の一部を発表した。4月18日~20日にも,品川プリンスホテル(東京都 港区)で開催される「International Conference on Electronics Packaging(ICEP)2007」で,同じく発表の予定。