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 三菱製紙は,電子機器などの熱対策(昇温抑制)向けの冷却材として使える蓄熱材料「サーモメモリー」を開発した。サーモメモリーは,物質の相変化エネルギ(融解熱,凝固熱)を利用して特定の温度を記憶/保持する材料で,今回開発したサーモメモリーの場合はそれが58℃になる。従って,周囲の温度が58℃を挟んで上下に急激に変動しても,電子機器の温度を58℃近辺に保持することが可能だ。

 サーモメモリーは,直径数μmのマイクロカプセルの中に温度を記憶する物質(芯材)を封じ込めたもの。芯材は固体と液体の相変化を通して吸熱あるいは放熱するものの,カプセル自体はそのまま変わらない。今回開発したタイプは,こうしたサーモメモリー・パウダをシリコーンゴムに練り込んで柔軟性や密着性を付与し,効率の良い冷却または加熱を実現した。電子機器類に使えば,高温域での冷却,急激な温度上昇の緩和(ピークカット),過熱による温度上昇の遮断,温度変動の平準化といった効果が期待できる。

 サーモメモリーの温度域はこれまで,9℃,16℃,25℃,31℃,39℃の5種類だった。今回,電子機器向けの58℃と医療向けの22℃が新たに加わり,より広範な用途に対応できる体制が整った。