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 米Hitachi Global Storage Technologies(HGST)社は,HDDの生産拠点と開発拠点を再編する。メキシコの生産拠点を閉鎖し,全従業員の11%に当たる4500人を解雇するなどして,5年で累計約3億米ドル(350億円)のコスト削減を見込む。HGST社は,2006年12月期決算では営業赤字が400億円強,売上高営業利益率がマイナス8%に達するなど,深刻な赤字に苦しんでいる。これらの施策に加え,歩留まりの向上,新製品の投入数拡大などにより,2007年12月期での黒字転換を目指す。

 今回の生産拠点の再編の目的は,人員の削減に加え,HDDの組立拠点であるタイや中国の周辺に基幹部品の生産拠点を集約することである。これによりサプライ・チェーンの効率化を図る。

 メキシコ工場は,2008年半ばまでに生産を終了する。従来同工場では磁気ヘッド・スライダを生産していたが,主力であるフィリピン拠点の生産量を拡大することで代替する。

 ディスク媒体の生産も統合を進める。ディスク媒体の主力生産拠点は中国の深センだが,研究開発拠点がある日本の小田原と米国サンノゼでもディスク媒体を生産していた。このうち,小田原での生産を2007年末までに終える。深センの生産量を拡大させる。サンノゼの生産拠点は現状を維持する。

 タイ拠点では,新たに車載向け2.5インチHDDの生産を開始すると共に,ヘッド・ジンバル・アセンブリ(スライダを駆動するアーム)の生産も継続する。

 これら一連の生産拠点の改革に合わせ,開発拠点も統合を図る。ディスク媒体の開発機能はサンノゼに,磁気ヘッド・スライダの開発機能を小田原に集約する。今まで,これらの開発機能は日米の2拠点に分散していた。開発拠点の人員は削減せず,開発テーマの転換や日立グループ内での配置転換で対応する。「今までディスク媒体を開発していた一部の技術者に,磁気ヘッド・スライダの開発に移るよう伝えた。ディスク媒体と磁気ヘッド・スライダの開発を分離する事で,当面は開発体制に混乱があるだろう。両拠点のコミュニケーションを密にすることで開発効率を高めたい」(HGST社 取締役会長兼CEOの中西宏明氏)。