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 日本エネルギー経済研究所は,日本国内での燃料電池車の普及に関して「2010年度で2万台,2020年度で430万台」との予測を発表した。

 同研究所によると,燃料電池車に搭載する燃料電池の開発は固体高分子型が主流だが,既存の内燃機関と対抗するためには性能向上と経済性が重要な案件という。大幅なコストダウンの実現と高い導入率を想定しても,国内における2010年度の燃料電池車の普及台数は2万台程度で,全乗用車保有台数5700万台の1%にも満たない。京都会議(COP3)で決まった二酸化炭素の排出削減の目標値に対して及ぼす影響は,極めて軽微なものにとどまるという。

 2020年度になると普及台数は430万台となり,全乗用車保有台数5900万台のうち7%程度まで導入率が高まる。燃料はメタノールとガソリンが考えられるが,メタノールと仮定すると,ガソリン需要6000万kLの6%にあたる約360万kLがメタノールに代替される。運輸部門の二酸化炭素排出量は約120万トンで,1.7%程度削減される。これは国内全体で0.3%程度の削減になるという。

 さらに,燃料電池車が出力50~70kWの内燃機関に対抗するためには,1kW当たり1万ドル程度と思われる現行コストを50~60ドルの水準まで引き下げる必要があるともいう。電極で使う白金触媒量の低減,高分子膜のコスト低減などがあり,決してハードルは低くない。これらのコスト低減が進まない場合には,導入促進のための助成金を考慮しても,国内での普及台数は2020年度で1万台程度,シェアにして1%にも満たない状況になる可能性もあるという。