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 米QUALCOMM Inc.は2007年3月26日,携帯電話機向けの無線通信用チップセット「Mobile Station Modem(MSM)7850」を開発したと発表した。第3世代移動体通信仕様「3G」の後継で「CDMA2000 1xEV-DO Revision B(EV-DO Rev.B)」と呼ぶ仕様に初めて準拠した。このほかにもQUALCOMM社は,EV-DO Rev.A準拠の1チップ版送受信LSIも発表するなど,恒例ともいえるCTIA直前の発表ラッシュを見せている(関連記事

 QUALCOMM社はMSM7850を2007年中にサンプル出荷する計画。また,既存のベースバンドLSIである「CSM6800」は,EV-DO Rev.Bに更新可能なファームウエアを2007年3月中に公開するという。

 MSM7850の特徴は周波数の利用効率が高い,つまり単位周波数幅当たりのデータ伝送速度が高速であることである。実証実験では,5MHz幅の周波数チャネルで下り方向(基地局から端末方向)9.3Mビット/秒,上り方向が5Mビット/秒を達成したという。周波数の利用効率は,下りが最大1.86ビット/秒/Hzとなり,MIMO機能なしのモバイルWiMAXを上回る。MIMOなしのモバイルWiMAXの実験例では,KDDIが最大1.3ビット/秒/Hzという値を公表している。 

 ただし,現時点でEV-DO Rev.Bの周波数利用効率がモバイルWiMAXを超えたとは言えない。モバイルWiMAXは今後,MIMO機能の利用が一般的になる見通しだからである。実際,米Sprint Nextel社などはMIMO機能を備える「Certificate Wave 2」仕様を採用している。MIMOを利用すれば,周波数の利用効率はMIMOのアンテナの数が増えるに応じて最大で2倍,3倍と増える可能性がある。