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退任会見は大阪府守口市の本社で開かれた。写真は東京会場における中継映像である。
退任会見は大阪府守口市の本社で開かれた。写真は東京会場における中継映像である。
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 三洋電機は,代表取締役社長 井植敏雅氏の社長退任,ならびに執行役員 佐野精一郎氏を社長昇格とする4月2日付け人事を発表した(発表資料)。井植氏は引き続き取締役を務めるが,実父の井植敏最高顧問が退任するのと合わせて,三洋電機の経営から創業家の影響力が事実上なくなることになる。3月19日には代表取締役会長の野中ともよ氏が「一身上の都合」で辞任したばかり(Tech-On!の関連記事)。経営再建中の同社は,新体制の下で再建を進めることになる。

 社長退任の記者会見で井植氏は,辞任の理由を金融機関や投資家の継続的な信任が得られなかったと説明した。「再建の施策の内容について,投資家やその他の金融機関との意見調整に時間がかかり,再建に向けたスピードが鈍化してしまった。多くの価値観が混ざり合った経営モデルをまとめ上げられなかったことに対する責任がある」(井植氏)。

 創業者の孫にあたる井植敏雅氏は,批判が集まった経営トップの世襲についても言及した。「私の体には創業者の血が流れています。それは誇りに思っても,恥じたことはありません。そして一日として,中途半端な気持ちで仕事をしてきたこともありません。改革をするために社長になりながら,世論では最後に古い体質の代名詞となってしまったことが,痛恨の極みでなりません。(経営トップの世襲は)世論や現代の(企業)ガバナンスで受け入れられないと言われれば,その通りなのでしょう」と悔しさをにじませた。

 井植氏は退任前の最後の機会であるとして,消費者に向けたメッセージも披露した。「三洋電機には,ダイヤモンドの原石のような技術がたくさんあります。それは将来大きく花が咲きます。環境・エネルギー(を大切にする)の世の中に必要なものばかりです。これからの時代に必要な技術を商品に込めて,出して参ります。これらの技術を将来に向けて守るためにも,消費者の皆さんにも力を貸していただきたいと思います」。