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 2007年3月28日に開催された総務省の情報通信審議会 電気通信技術審議会 電波有効利用方策委員会のVHF/UHF帯電波有効利用作業班の会合では,VHFの周波数配分に関する審議も行われた(UHFについては,Tech On!関連記事を参照)。同委員会では,地上テレビ放送がデジタル放送に完全移行したあとに空くVHF帯やUHF帯の周波数を,どういう用途で使っていくかなどの検討を進めている。このうち,アナログ放送が終了したあと新たに利用可能になるVHFの1~12チャンネルを使って利用可能となる70MHzの周波数帯域については,放送と自営通信(防災対策などの公共業務といった用途に向けた無線システム)が,それぞれ35MHzを利用することを前提に,今後の審議が進めるという方向性が打ち出された。

 これまでの議論では,VHF帯の用途として,30MHz±5MHzで,放送と自営通信グループがどう使うか検討することになっていた。今回開催された作業班の第6回会合では,VHF帯共用検討グループの報告として,それぞれが35MHz幅で検討を進めるという内容を報告した。周波数の配置については,VHFのいわゆるローバンド(1~3チャンネルの18MHz)は放送用途に利用する。いわゆるハイバンド(4~12チャンネルの52MHz)については17MHzを放送用途にして,残りの35MHzを自営通信の中でも「安心・安全用途」に利用することにした。各用途の周波数配置は共用条件を考慮してもっとも有効利用が図られる配置を検討すると報告した。

ソフトバンクモバイルの松本氏がローバンドに反対を表明

 この内容については,この日の会合に代理出席していたソフトバンクモバイル 副社長の松本徹三氏が,周波数の配置に対して反対の意見を表明した。「ここで検討されている新しい放送サービスはケータイ向けを想定している。VHFのローバンドは周波数が低く,携帯電話機のアンテナに対する負担が大きすぎるのではないか」と強い懸念を示すとともに,「自営通信の用途でローバンドを使えるものがあるのであればそちらを使ってほしい」と要望した。これに対しては,放送グループの中から「これまでの議論を大事にしてほしい」という強い不満の発言が相次いだ。松本氏は「過去の議論をいうのであれば,一昨日,我々は周波数の配置については反対意見を表明している」と反論するとともに,「大事な問題なので,周波数配置はもう少し議論させてほしい」と繰り返した。今後の大きな焦点の一つとなりそうだ。

 自営通信の検討に携わってきた関係者からも,35MHzという帯域幅が一人歩きすることを警戒する声が相次いだ。「35MHzの帯域幅で本当に安心・安全を実現できるのか,まだ議論はこれからだ」という理由である。ただし,放送の検討に携わってきた関係者からは,こうした内容がそのまま3月30日に開催される電波有効利用方策委員会に報告された場合に「放送は35MHzあれば十分」と誤解される可能性を危惧する声も聞かれた。「我々も本来は35MHz以上必要」と釘を刺すなど,激しいやり取りが行われた。