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 米Lucent Technologies Inc.は,積和演算処理性能のピーク値が800MMACS(million multiply and accumulate operations per second)の16ビット固定小数点DSP「DSP16410」を発表した(リリース文)。競合製品を米TI社(Texas Instruments Inc.)の最上位DSP「TMS320C6202」と定め,積和演算換算で約50%向上させたという。TMS320C6202の積和演算処理性能のピーク値は500MMACS。

 W-CDMA方式やGSM方式などの携帯電話用無線基地局に向けた。「当社は基地局向けDSPの最大手。携帯電話の世界市場は,現在の2億万加入から10~15年後には7億万加入まで成長する。今回発表したDSP16410はトップを維持するための戦略製品」(日本ルーセント・テクノロジー マイクロエレクトロニクス アジア・パシフィック リジョン プレジデンントのGlen A. Riley氏)。1チップで29チャネルの音声コーデック(符号化/復号化)をリアルタイム処理できる(GSM方式のフルレート音声符号化時)。

 2個の16ビットDSPコア「DSP16000」を集積するSIMD(single Instruction multiple data)アーキテクチャを採用した。「SIMDアーキテクチャを選択したのは,既存製品(DSP16210)のユーザが抱えるプログラムとコード互換性を維持するため」(日本ルーセント・テクノロジー マイクロエレクトロニクス ワイヤレス マーケディング部長のNigel C. Dixon氏)。DSP16000コアは2個のMAC(multiply and accumulate)演算器を備えるDual MACアーキテクチャである。このためDSP16410は,4個のMAC(multiply and accumulate)演算器が並列動作する。クロック周波数は200MHz。消費電力は標準0.38W。パッケージは208ピンBGA。サンプル出荷時期は1999年第2四半期,量産出荷は同年第4四半期をそれぞれ予定している。

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